U22 シリア - 日本

「打ってみろ! 打ってみろ!!」という声が聞こえたので誰の声かと思ったら反町監督の声だったのですね。
ちょうど前半が終わったところですが、テレビ東京の解説の前園さんもちょうどシュートが少ないという話をしていたところでしたが、「ボールを動かす」ことは目的ではなく単なる手段であって目的は「シュートを打っって」得点を取ることなのですよね。いくらボールをまわしてもスコアは動かない。日本の2点目だって強烈なミドルシュートを打ったことから局面が動いてCKになったわけですし。この試合を勝つことだけなら相手に合わせてスローペースで戦っても良いのですが、最終予選を見据えるとこのペースではきついように思います。


それと反町監督はようやく3トップを諦めてくれたのでしょうか。フォーメーションはどんな形でも選手がやりやすいなら良いのですが、3トップは自分たちで自分たちが使うスペースを殺しているように感じていたので、現在の2トップの形のほうが前線の両サイドに自由に使えるスペースがあって選手たちがやりやすそうに感じます。FWの選手が左右に流れてもよし、サイドの選手が縦に突破してきて使うもよし。ヴェルディもそうですが「はじめに監督の形ありき」で始まっても良いのですが、フィットしていないと思ったら、自らすばやく変更する勇気も監督には必要だと思います。ということで、予選の初めのころの3トップよりも今の形のほうが期待が膨らみます。


それにしてお中継の画面がアップばかりで見にくいです。映像は国際放送でしょうから日本のテレビ局の問題ではないでしょうが、それにしてもテレビ東京のスーパーの入れ方が画面を隠すように入れ続けるので気になりました。他の民法テレビ局と違って、テレビ東京はサッカー中継に理解があると思っていたのでスーパーの入れ方という小さな問題ですが言いたくなってしまいます。実況そのものは特に文句もないけれど、惜しいなぁ。



試合終了です。
スコアを見ればアウェイで2−0と完勝なのですが、何か煮え切らない勝利ですね。特に後半の45分間、日本代表は何をしたのだろう。ボールをつなげたわけでもなし、リードした優位性を生かしてカウンターを狙ったわけでもなし。何か、目的もテーマもないまま、シリアの出方にあわせて45分間を過ごしてしまったような気がします。さすがに後半の30分過ぎからシリアの足も止まったので状態はイーブンになりましたが、後半開始から30分前後まで、日本で目立ったことはマイボールをパスミスで失うことばかりでした。


3点目をどういう形で狙うのか。オシム監督がペルー戦のときに話したことを思い出しますが、対戦相手であるシリアがホームで2点ビハインドの後半立ち上がりから捨て身の猛攻を仕掛けることは、相手の立場を考えれば想像できると思うのですよね。それをまずは受けてカウンターを狙うのか、それとも相手の出鼻をくじくようにこちらが攻撃を仕掛けるのか。結局のところ、ただのサンドバッグ状態でした。
何度も言いますがこの予選なら相手に合わせても大丈夫だと思いますが、最終予選に入ったときには相手に合わせて様子を見ていたら押し切られてしまうのではないでしょうか。


現在は浦和にいる小野選手がフェイエノールトに在籍中に監督から「サッカーはサーカスじゃない」というようなことを言われていたように思いますが、今回のU22日本代表の選手たちも”巧すぎて戦えない”ように感じてしまいます。ゴール前でボールが持てるが故に、ボールを持ち替えている間にチャンスの芽は消えてしまう。まずはシンプルにシュートを放つとか、中が間に合うかギリギリでもクロスを上げきってしまうとか。また中盤でのセカンドボールの奪い合いでも足先だけで行って簡単に交わされてしまう。
自分の欲しいタイミングでボールが来なければ、「何やってんだよ、ここにボールを寄こせよ!!」と怒鳴るくらいの自己主張や積極性や燃えるものを見たいです。何かが物足りないチームです。
最終予選のギリギリの戦いの中で覚醒するのでしょうかね、このチーム。