前日監督会見 コロンビア戦

また、奥深い話です。
コロンビア戦前日 オシム監督会見 スポナビ

――アジアカップに向けて欧州組を試す最後の機会となるが、起用のポイントと彼ら期待することは

 試すといっても、テストという意味での機会ではないと思う。私にとっても選手にとっても、メディアにとっても気持ちのよくないことではないか。テストというのは、合格する場合もあれば、落第する場合もある。しかも1回のテストで合格しなかったから、すぐ落第というわけでもない。もちろん、選手の特性を見たいという気持ちもある。中にはプレーしないでも分かる選手もいるが、多くはプレーをさせてみないと分からない。今回、20数人招集しているが、全員を出せるわけではない。3人くらい、2試合とも出られない選手が出てくる可能性がある。しかし、そういう選手を含めて、代表チームはできている。試合だけではなく、チームの一部として機能しているかどうかも私は見ている。試合の数が多くて、全員に出場機会があれば、もっとよいのだが。試合もそうだし、それ以外の代表の活動の中でも、選手の能力や個性というものは出てくる。そこで、必ずしも良いプレーをしなくても、必要な選手はいる。つまりプレーそのもの以外でも、重要な要素が存在している。生きたグループとしてのチーム、そういった必要な要素を選手たちは持っているか。サッカーのプレーさえできればいい、という話ではないのだ。

チームマネジメントの本質と言うか、サッカーに限らず団体で生活する上で避けては通れない問題ですよね。


『そこで、必ずしも良いプレーをしなくても、必要な選手はいる。つまりプレーそのもの以外でも、重要な要素が存在している。』


この要素が分かるか分からないかは、サッカー監督に限らずマネジメントや管理者の立場で役に立つか立たないかの境目になるような気がします。人間の心理を洞察できる力があるのかどうか。