日本 - コロンビア

helguera2007-06-05

埼玉スタジアムに行ってきました。
今日の埼玉は日中は日差しが強かったものの夕方からは風も涼しくなり、試合開始のころは半袖では肌寒いぐらいの気温でした。スタジアムの入りもちょっと肌寒いものでしたけどね。1日のモンテネグロ戦をテレビで見た時も「空席が多いなぁ」と思いましたが、実際にスタジアムで2階席中央の空席のブロックを見るといろいろと考えてしまいます。93年のJリーグ開幕以来、日本代表とJリーグは日本サッカーを盛り上げていく車輪の両輪としてお互いに良い影響を与えながら発展してきたと思うのですが、昨年のドイツワールドカップあたりが何かの分岐点だったのかもしれません。現在の日本代表チームが魅力のないチームだとは思いませんが、目玉もない。ワールドカップの予選が始まるまではこんな感じの観客の入りなのでしょう。予選が始まっても入らなかったら、その時はどうなるのだろう。


さて試合についてですが、何と言ったら良い試合なのか。
試合が始まってすぐにコロンビアの力は先日のモンテネグロの比ではないことは分かりましたから苦しい試合になるだろうとは思いましたが、ちょっと良く分からない試合でした。


_____高原____

遠藤__稲本__中村俊

__鈴木__中村憲__

中田_阿部_中沢_駒野


今までで最大の人数となる海外クラブ所属選手が4人いるというスタメンでしたが、前線に比べてボランチのあたりが頼りない感じがしました。コロンビアがかなり高い位置でボールを奪いに来ることもあったでしょうが、日本のDFラインにプレッシャーを掛けられ、次のパスでボランチのポジションでボールを奪われコロンビアのショートカウンター攻撃を受ける。前半には中村俊選手が信じられないようなミスから低い位置でボールを奪われましたが、それ以外にもボランチの高さでもたつく場面が多かったように感じました。やはりあの高さに後ろからのボールを良い体勢で受けながら前を向くことができる選手が欲しいところです。相手が同格若しくはやや格下で日本が余裕を持ってボールを持てるときには感じない弱点ですが、今日ぐらいのレベルになるとあのポジションの選手の経験と能力が自分たちのリズムを作れるかどうかの境目になっていくような気がします。


他に前半で感じたことは、押し込んでくるコロンビアに対して前線に足の速い選手が欲しいということでしょうか。中村俊選手も遠藤選手もお世辞にも足が速いとは言えないし、前目で使われていた稲本選手も速そうじゃない。あれだけ押し込まれている中で引いてくる高原選手の連れてきたDFの裏を常に狙っている選手がいればもう少し試合が動くのではないか、そんなことを感じていました。コロンビアとヘディング勝負をしても勝ち目はなさそうだったので、小さくて速い選手が有効なのかなと。「佐藤寿選手や播戸選手が欲しいな」と思いながら見ていたのですが、後半開始からのオシム監督からの答えは羽生選手でした。確かにね。


その後半ですが、稲本選手に代えて羽生選手を入れ前線をかき回したいというのは良く分かったのですが、中田選手に代えて今野選手を入れたのは正直ちょっと残念でした。もう少し中田選手を見たかった。
後半は日本も前への意識が高くなりましたが、残念ながら得点は奪えませんでした。が、得点は奪えなかったけれど明らかに後半が良くなったのですよね。原因は羽生選手の投入で日本とコロンビアの攻防の高さが日本から見て高い位置にシフトすることができたということなのかなと。コロンビアのペースダウンもあるとは思いますが、受けてしまった前半に対し、自分たちから高い位置で仕掛けた後半、そう思いながら見ていました。


試合結果はスコアレスドローでしたが、キリンカップとしてはモンテネグロ戦の2得点が効いて見事優勝となりました。試合である以上常に目指すのは勝利でしょうが、今日の前半はやはり海外にいる選手を昨年作ったチームの基礎に合流させること、これが大きなテーマの大会だったのだろうと思います。海外のクラブに所属する選手を含めて、1週間前後の合宿ができ試合ができる。ある程度スケジュールを合わせやすい国内のクラブ所属選手に対し、どれほどチームとしての融合ができたのかを計るのが今日の試合の前半だったのかもしれませんが、それにしてはコロンビアがうますぎました。選手や組み合わせのテストとは言わないけれど、でも少し試している部分もある。それが試合を通じて感じた”良く分からない試合”の正体なのかもしれません。
それでも、コロンビアと引き分けて少し不満に感じるなんて、10年前に比べたら贅沢になったものですがね。