日本 - UAE

まずは勝って良かった。それは事実です。でも、3−1という文句のない結果的にグループ首位に立てる得失点差で勝ったとはいえ、日本代表の1つの試合の中に明暗がはっきりとある試合でした。


前半の日本3−0に対して後半の日本0−1という結果以上に、高原、中村亮選手が抜けてからの日本に得点の気配がまったく感じられないことが気になりました。まるで初戦のカタール戦の1−0とリードしてからの中途半端な時間帯を見るような感じです。足が止まったUAEに対して余裕でボールをまわしているものの、羽生、水野選手が入った日本代表は、パスがつながっても『誰がシュートをするの???』という、チグハグな雰囲気を感じました。羽生選手の投入の意図も分かるし水野選手の投入も間違いだとか言う気もありませんが、前線中央には消耗した巻選手一人だけで、誰からも『俺が決めてやる!!!』というオーラは感じられない。オシム監督の「相手をかきまわしたい」という狙いは分かっても、『では、かきまわした結果、何がしたいの?!』という印象です。


とまあ気になるところもあった試合でしたが、それでも立ち上がりから負けられないUAEが積極的に出てきたこともあいまってカタール戦の日本代表とは見違えるほどのデキの良さでした。最初の15分ぐらいは捨て身のUAEの攻撃の気配を受け止めるモードになってしまったものの、その流れを押し止めて両者の勢いが少し落ち着いてからは日本の間合いで試合が進められていたと思います。高めにくる相手DFの裏を狙って少しDFラインを押し下げつつ、ショートパスを交換し相手の間に切り込んでいく。局面での展開になれば日本の技術力の高さがUAEを圧倒し、2点のリードを奪うことができました。そして普段は不利に感じることの多い主審の判定でPKを貰い、3点差をつけての前半終了はできすぎの感じでした。


しかし後半頭の両者のフェアな主導権の握り合いがイーブンに終わった後は、UAEの選手たちがお得意のラフプレーに走り、そうなるとラフプレーの技術の高いUAEペースになってしまいました。これもアジアサッカーで良く見る風景とはいえ、あの悪質なラフプレーは何とかならないものですかね。鈴木選手の接触の場面など、本気で骨折の心配をしてしまいました。結局は退場者が出ましたが、グループリーグ敗退が決まってしまう彼らには痛くも痒くもないでしょう。激しいプレーと悪質なプレーの区別を自ら気が付かない限り、強豪国とか中堅国とかいう区別ではなく、UAEはサッカーの二流国から抜け出ることはできないのでしょう。三流かな。
負けて大会を去る国について多くを語ってもしょうがありませんが、見ていて不快になるUAEのラフプレーでした。日本のミスもあったとはいえ得点につながったドリブルの場面など良い選手もいるだけに残念です。


試合終盤の選手交代が機能したかどうかは疑問ですが、それでもとにかく2試合を終えてグループ首位に立ちました。次は開催国ベトナムが相手ですが、初戦のカタール戦での痛みを伴って得た教訓を生かして、隙のない試合を進めて欲しいと思います。あとは高原、中村俊輔選手を欠いた時の攻撃を次の試合で見たいですね。