U22 日本 - サウジアラビア

helguera2007-11-21

国立競技場に行ってきました。
はぁ、ふぅ、まぁ、結果がすべての公式予選ですから、五輪出場権獲得おめでとうございます。


このチームを評して「最低限の結果を残すチーム」という言葉がありましたが、またしても見事に最低限の結果は残しました。もちろん引き分けても五輪出場決定と言う試合ですから、引き分けという結果は立派な結果なのですが、”五輪出場”という結果以外には何も残らない何も生み出さない試合に感じてしまいました。反町監督がこのチームを結成してから相当な時間が経ったと思いますが、結局このチームが形として残したものはオリンピックの出場権以外では何だったのでしょうね…。うまく思いつきません。


何だかんだ文句を言っても勝って欲しいことは当然ですから、今日は仕事を早めに抜け出して国立競技場にはせ参じました。いくら今まで2万人前後しか入らない人気のないこのチームとはいえ、今日の試合の結果次第で出場権が決まる試合ですから、相当な観客数が見込まれるので食事は持参しました。文句を散々言っていても、縁起を担いでこんなメニューですよ。

この効果がうまく出るかどうか分かりませんが、席についてカツサンドを食べたらすぐにキックオフです。


今までの5試合の結果を受けて日本の勝ち点は10でサウジアラビアの勝ち点は8ですから、「この試合のキックオフ時点で日本が1−0でリードしている試合」という感覚で見ていました。サウジアラビアからしたらどんなことをしてもとにかく日本から1点を取らないと何も始まらない状況ですから、予想通りキックオフ直後から攻勢を強めてきました。サウジの前試合のカタ−ル戦も前半だけ見て「サウジ強いじゃん」と思っていたのですが、この試合のサウジも立ち上がりから良いサッカーを見せていました。ただ、サウジ目線でこの試合を見ると「前半に日本から得点して1−0になればOK。でも後半まで得点できないと、時間の経過とともに焦りが募る試合」だと思っていたので、押されていた日本でしたが前半を0−0で乗り切れば後半のサウジは自滅すると考えていました。問題は押されっぱなしの日本が前半を無失点で乗り切れるかでしたが、何とか乗り切ることが出来ました。


後半はさすがに日本も巻き返しを図り、柏木選手の長い距離をフリーランニングした突破から惜しいチャンスを作りますが、ゴール前での最後の1本が決められません。後半になって集中力を切らしているように見えたサウジに前半のような得点の気配は感じられなくなっていましたから日本がシュートを外しまくっても安心して見ていることができましたが、もっと強い相手とならあれだけチャンスを外したら試合の流れが変わるだろうというぐらい決まりませんでしたねぇ。チームを立ち上げたころには平山選手を攻撃の柱として考えていたように思えたのですが、今日はベンチにすらいなかった。このような監督の迷走がこのチームの攻撃のチグハグさを呼んでいるのでしょうか。前の日本代表でも感じていましたが、日本の選手たちの素の力を合計しているだけで、チームとしてのプラスアルファを積み足せないチーム、そう感じてしまいます。その試合に出た選手は一生懸命頑張っているけれども、チームとしての経験の上積みは一切感じられない。何とも勿体ない状況です。


一方のサウジの攻撃も惜しいところまでいくのですが、とにかく足元でボールを持ちたがるのがじれったかった。「ここで外に開けばチャンスが広がるのに…」と思う場面でも、持ちすぎてタイミングを逸してしまう。先日のACL決勝のセパハンのサッカーにも感じたことですが、西アジアのサッカーは足元の技術は上手いのだけれど、1人で持ちすぎてチャンスの芽を潰してしまう。逆に東アジアの日本のサッカーは個人で強引にいかなければならない場面でも他人に預けてしまう。両者を足して2で割ればちょうど良いバランスになると思うのですけれど、ねぇ。うまくいかないものです。試合後に発汗さんともお話したのですが、「アジアはこんなサッカーをしていたら欧州や南米やその他世界のサッカーの進歩から置いていかれてしまう」という心配をしていましたが、まったく同意です。日本が引き分けにしろ五輪出場権を獲得したのですからもう少し嬉しくても良いのですが、何とも喜べない試合後でした。


とにかくオリンピック出場権を獲得したことは嬉しいことのはずなのですが、ではこのチームで本大会に出場した時にどんな結果が残せるのかを考えると暗澹たる気持ちになるのも正直な心境です。短期間でもいいから監督をもう少し経験のある方に代えてみて、短期集中で本大会向けのチームを構築するのなら楽しみも増すのですが、今のままでは心配ばかりです。
予選を突破した試合直後の文章にしては煮えきらず後味の悪いものになってしまいますが、うーん、スッキリしない試合でした。