反町監督について

Jリーグの熱い週末が始まる前に、反町監督について少しだけふれておきたいと思います。


まず、プロの監督として五輪本大会出場権という結果を獲得したこと。これについてはきちんとした仕事をしたと思っています。サウジ戦の終了間際に1点でも入れられていたら結果は分からない状況だったわけですが、それでも出場権を獲得したことは素直に評価しなければなりません。
「でも、それでいいの?」という思いもあります。


日本サッカー協会は何の疑いもなく本大会も続投という流れのようですし、今までの日本サッカーの流れを見れば予選突破した監督を解任するほどの見識はないであろうことは想像つきます。
でも、それでいいの?


予選を突破したことは評価していますが、私は今回の予選突破はJリーグに例えれば「本来は中位から上位を狙えるチームを率いているのに最終戦で残留を決めた監督」という評価しかできません。「本来は中位のチームを率いて最終戦まで優勝争いに加わった監督」というなら来シーズンも諸手を挙げて続投に賛成できますが、かなり将来有望な選手を率い、青息吐息で残留を決めた監督に来シーズンも任せるということには賛成できません。
基本的には反町監督は「対戦相手ありき」の監督だと思っているので、はじめに「自分たちありき」の監督ではないように感じています。それはそれで残留という結果を残すためには目の前の相手から勝ち点1でもとらなければならないわけですから、「対戦相手ありき」になってもしょうがないとは思います。五輪予選もギリギリの残留争いだと考えれば、そのような監督に任せるのが正解なのでしょう。


でもね、私は今の選手たちにはもっともっと可能性があると思えるのです。直前のワールドユースを見てもそうですし、やりかたによっては世界を驚かせるサッカーができそうに思えるのです。残留争いではなく、優勝争いに食い込めるチームに思えるのです。
ほんの少し前のアトランタオリンピック予選の頃だったら、そんなことは言いません。あの当時にはアジア予選を突破するのが悲願だった。その先のことなど考える余裕もなく、アジアを突破するのが急務だった。しかし、あれから12年の時が流れ、日本サッカーはオリンピックでもシドニーアテネと経験しているし、ワールドカップすらフランス、日韓、ドイツと経験している。日々の生活に密着したJリーグは確実に根付いてきている。
そんな現在、代表監督に求めることがアトランタ当時と同じでいいのかという疑問があるのです。


協会はまったくそんな疑問も持たずに続投させるでしょうから、監督交代など期待していません。実際に来年のオリンピックがどうなるかよりも、来年のヴェルディがどこで戦っているのかの方が100倍も大きな関心事であることも事実なので、今現在は「どっちでもいいけど…」というのが本音です。
でも、日本サッカーの監督に求める要求の基準はアトランタ当時と同じでいいのですかね。私は違ってきていると思うのですけれど。