東アジア選手権 日本 - 北朝鮮

結果は引き分けに終わりましたが、試合としては「引き分けに持ち込めて、良かったね」という引き分けに感じました。少なくとも今の日本代表は「勝てる試合を引き分けてしまった…」というレベルにはきていないように感じています。


前半の45分間は「何がやりたいんだろう、このチーム」という想いを持ちながら見ていました。最近は日本代表に関するニュースをあまり頻繁にチェックしていないので、怪我人などで随分メンバーが変わってしまったことに驚きました。代表が新しく発足してから4試合目であり(前の代表からはほとんど何も継承していないと思っています)、直前の試合からも大きくメンバーが入れ替わってしまった。監督はインタビューされれば「勝ちに行く」と答えるでしょうが、とても勝てる内容とは思えませんでした。


攻撃では特に前半は前線が手詰まりというか動きが行き詰っていて、FWにボールが入ることもまれで、中盤からのパスがカットされたり直接タッチラインを割ってしまうことも頻繁に起こり、前線の役割が整理されていないように見えました。前半の終了間際に素早くボールがつながって惜しいチャンスを作ることができましたが、あとはセットプレーのみでしたね。
さすがに後半は前半よりも日本選手の動きにキレが出てチャンスの気配を多く感じるようになりましたが、「得点も時間の問題」と感じるほどの迫力は感じませんでした。そんな中、岡田さんが動いて2枚代え、結局はこの交代した安田選手と前田選手がペースを変えてようやく得点に至りました。しかし、得点後も畳み掛けるような攻撃の迫力はなく、そのまま引き分けに終わりました。


守備については試合開始直後のふわぁ〜とした時間帯に決められてしまいましたが、微妙に形は違えども先日のタイ戦の失点と同じ匂いを感じました。DFラインの前を使われる時にちょっと遅れるというか、寄せきれない脆さを感じてしまいます。Jリーグでは許される1mの距離が、やはり国際試合では許されないというか*1。ボールを奪いに寄せる選手とステイしてしまう選手の間に微妙なズレがあるように思います。何ともいえない甘さと言うかほんの少しの緩みと言うか、何かピリッとしたものがない。テレビの実況は”死闘”という言葉を繰り返し使っていましたが、この程度で死闘なら随分と緩い死闘です。もちろん体を張って防いでいる選手もいましたが、守備が緩く感じてしまう選手も見受けられてもの足りませんでした。


監督は口が裂けても「テストだ」なんて言わないでしょうが、加地選手の左サイド起用など、テスト的な意味合いは否定できない試合でしょう。それにワールドカップ予選が本番であるのは当然ですから、この大会をテストに使うことに何の問題もありません。
そんな状況の中ではやはり「引き分けに持ち込めて、良かったね」という試合でしたね。

*1:まあ、決めたのはJリーグの選手ですが…