大宮 - ヴェルディ

helguera2008-06-28

熊谷スポーツ文化公園陸上競技場まで行ってきました。


守備はザル、前線はフタ。




以下追記です。
腸が煮えくり返っていた昨夜から一晩が経過して少し冷静になったので、後日のために少し追記します。


まずはヴェルディの守備ですが、守備が緩いのはここまでの試合で分かっていました。だから大宮相手に『勝っても負けても1点は取られるだろう、あとはヴェルディが点を取れるかどうか』だと思っていたのですが、開始4分で取られるとは…。ヴェルディの守備の緩さなのですが、中盤の守備的な選手もDFも、相手を待って受けてしまうことが致命的だと思っています。その分、相手との距離が1mぐらい詰めきれず、相手に自由に動けるスペースを与えてしまう。昨年までのJ2時代なら相手にそこからシュートを打たれても枠を大きく外してくれて、「やれやれ、危なかったね」で済むのですが、さすがにJ1では枠に入る可能性も格段に高くなります。この試合の先制点の場面でもデニスマルケスにあと1m詰め切れず、横に動けて足を振れるスペースを与えてしまった時点で半分はやられていました。結局、相手をファールで止めるにもファールすらできない距離を開けてしまっている点を修正しないことには失点は減らないでしょう。


そして2失点目の場面でも顕著に出ましたが、やはり守備が待って受けてしまうだけなので、2列目以降から走り込んでくる選手は捕まえられないこと。この試合ではワンツーで抜け出してきた選手を捕まえ切れなかったことが失点につながりましたが、1−5で負けた柏戦のように、相手の中盤から前の運動量が豊富なチームと対戦すると面白いように突破されてしまいます。最終ラインのDFだけの責任ではなく、中盤の選手がいかに守備をさぼらず、走り込んでくる選手を最後までマークしてフリーにさせないかどうかが問われていると思います。


次にヴェルディの攻撃ですが、この試合の前半はフッキ、レアンドロ、ディエゴの前線3人までほとんどボールが届くことなく終わってしまいました。前半のチャンスはフリーキックコーナーキックだけ。コーナーからポストに当たる惜しい場面もありましたが、カウンター以外のマイボールはことごとく中盤で大宮の網にかかってしまいました。
中盤の運動量を比較した場合、大宮に優位性があることは試合前から想像していましたが、想像以上だったのはFWの選手の守備意識の違いです。ヴェルディの3人は相手ボールのときは単なる傍観者ですが、大宮のFWはヴェルディが中盤でボールを回しているときに、大宮の中盤の選手と連携して前後から挟み込んでくる。大宮のFWの選手がボールを奪うことはありませんが、挟み込んでくることでヴェルディのパスコースを限定して、福西や菅原のラインでの横パスを何度インターセプトされたことか。ヴェルディの前線の動き出しが悪いこともありましたが、中盤の選手の選択肢が横パスかバックパスしかなくなってしまうのは、大宮のFWまで含めた前からの追い込みにまんまとはまってしまった結果だと思います。


そして失点は覚悟していたものの勝敗の分かれ目になると思っていたヴェルディの得点機会でしたが…、やはりフッキが動けませんでしたね。来日が遅れ調整不足なのは動きの少なさや相手選手に当たられてすぐに倒れてファールを貰おうとする姿勢に表れていると思います。確かにフッキが倒された時に笛が吹かれないのも気になりますが、でもそれ以上に好調時のフッキなら当たられても倒れないで突破していきますし、少しぐらいバランスを崩していても強引にシュートを狙う。それができなかったのは大宮の守備がヴェルディの守備よりもきっちりと人を捕まえていたこともありますが、それ以上にフッキのフィジカルコンディションの問題だと感じました。現にフッキに代わって途中出場してきた平本一樹は大宮の守備を切り裂いていましたからね。結果得点は奪えませんでしたが、平本、飯尾投入以降のほうが前に向かう動きに鋭さが出ていました。


あとは、富沢の右サイドバックはどうなんだろう…。富沢は好きな選手ですが、右サイドに置かれて攻撃時に何をしていいか分からないと混乱しているように見えました。例えば攻撃時に右前方のスペースをFWが流れて使うのか、中盤が飛び出して使うのか、それとも富沢がオーバーラップして使うのか。長いことサイドバックをやっている選手なら前の選手と阿吽の呼吸でできる場面もあるでしょうが、センターの選手である富沢には混乱を与えるだけだと思います。攻撃時に混乱しているせいかその分守備にも相手選手を捕まえきれない場面もあったように思います。現時点では、ちょっと無理かなと感じます。


あとはGK。土肥も頑張ってくれていますが、ここまでチームがバラバラな感じを出している時は、そろそろ生え抜きの義成を使う選択があっても良いのではないかと感じます。力的にはほぼ互角の両選手だと思いますが、そろそろ何かを切り換える時期です。本当は監督を切り換えられれば一番いいのですが。
ピッチ上で結果を出せないのは選手の責任ではありますが、長い中断期間後の再開初戦のキックオフ直後の選手のぬるさは大宮と比べて大きな差がありました。これは中断期間のチーム作りや試合前のモチベーションコントロールにおける柱谷監督と大宮の樋口監督の経験や能力の差が如実に表れている部分だと感じます。


”たられば”は勝負にあり得ませんが、それでも『もしコンディションに問題のありそうなフッキではなく、平本、飯尾のコンビを最初から使っていたらどうなったか?』というのはどうしても考えてしまいます。昨年までは守備を免除されていた傍観者がフッキ、ディエゴの2人でしたが、今年は更なる厳しいステージに上がったにもかかわらず一人増えて3人になってしまってますから、正直守備でも人数が不足しているし、攻撃時には運動量が不足しています。カウンターからのフッキの得点が攻撃の戦術でしょうが、良い形でディエゴにボールが入った時以外はまったく得点の気配を感じられない現在の攻撃パターンでは、降格への道を一直線です。さすがにこの試合ではアンタッチャブルなフッキを途中交代で下げましたが、FWか中盤かDFか、どこかで運動量をあげないと結果は出ないと思います。現状のままなら、ヴェルディ以上に運動量の少ない相手と対戦したときしか勝ち点が取れなくなってしまいそうです。


前半開始早々に失点し苦渋の45分間を見守り、後半頭から少し攻撃に必死さが見られたものの大宮のワンチャンスで止めを刺され、本当に散々な一日でした。唯一の良かった出来事と言えば私が見ていた少し後ろが記者席で、そこにいたテレビ朝日前田有紀アナウンサーを間近で見ることができたことぐらいでしょうか。実物はテレビや写真で見るより数倍可愛かったです。これはクラブに取材に行ったら選手が前田アナのことを好きになってしまうわけだと思いました。私は赤江珠緒派ですけどね。