2010WC日記 30日目

ジャンルカなう、なう。


試合がないと本当に日々の生活からサッカーが抜けていきます。ここのところ毎晩ツール・ド・フランスがあるし、おそらく他サポほどJリーグの再開を素直に待ち望みにくい。あと4ヶ月しかクラブが存続しないかもしれない再開なんて、楽しみでもなんでもない。


とまあ暗い話はこれぐらいにして、えのきどいちろうさんが2回目の出演となったジャンルカなうについて。
以下は自分の記憶、受け取り方をもとにして大いに意訳しているマトメなので、参考程度に読み流してください。

2006年の日本代表について、勝っているけれど正しくない方向に進んでいるのではないかと思いながらも、JFAに対する大人の事情もあったりして、きちんと批判ができなかった。その結果、2006年ドイツ大会で日本代表は惨敗し、それがJリーグだけでなく日本のサッカー界に大きな影響を与えてしまった。もちろんそれは悪い影響でサッカー市場全体の縮小につながってしまう問題であった。その時にえのきどさんや倉敷さんはメディアの一員として存在しながら何もできなかったことについて非常に気にかかっていたので、今回の日本代表の活躍で救われた。しかし、ベスト16に残ったからと言って手放しで喜ぶだけでなく、良いところは良い、悪いところは悪いという、健全な批評・批判のある日本サッカー界になって欲しい。得点した選手を大げさにスター扱いするだけではなく、その得点が生まれるまでに他の選手の貢献や相手の選手のミスなど、どのような経緯でその得点が生まれたのかを語るメディアが必要なのではないか。サッカーは常に勉強の連続だし、100人いたら100通りの見方や哲学がある。でも、それぞれの見方を語り、それについて論じるような、そんなメディアがもっと増えなければ、勝てば良かった、負けたらボロクソという、今のメディアの風潮が変わらないのではないか。但し、批判や批評は必要だが、批判するための批判と良質な批判を見分ける術も持たないといけない。


それ以外にも様々なことが語られていましたが、自分が特に気になった部分は上のような内容の部分です。
常々思っていることですが、応援と批判というのは反対語ではなく同義語だと思っています。批判しているから応援しないというものではなく、応援しているから批判しないというものでもない。自分が思う応援の反対語は無関心ではないかとい思っています。



今回のワールドカップですが、私は現地に行きませんでした。フランス大会に日本が初出場を果たして以降、初めて現地に行かず、全てを自宅のテレビでスカパーの中継を通して観戦しました。現地からの情報によると不安な報道が多かった南アフリカでしたが大きな犯罪事件もなく、現地の方々のホスピタリティも良く、また日本代表の活躍もその場で見ることができて、『行けば良かったかな…』とちょっとだけ思ったこともありました。
でも、スカパーでオシムツイートがはじまってからは、実は今回の自宅でスカパー観戦は自分にとっては最高の環境だったと思えるようになりました。(地上波だけの皆様、ゴメンナサイ) 試合前、ハーフタイム、試合終了後にはスカパーのスタジオ解説者やグラーツオシムさんが見所や感想について話し、試合中はツイッターでのオシムさんのつぶやきを見ながら、画面の向こうに一喜一憂する。自分はサッカーの専門家でもなんでもありませんが、NHKを含めて地上波での観戦では不満ばかりで満足できない状態になっていました。無駄な盛り上げも騒ぎもなく、純粋にサッカーの試合を見て、そこで起こったことについて語る。見方は人それぞれだし、オシムさんの言葉に対しても「それは違うと思う」ということもありましたが、それでもスカパーの中継があって本当に救われました。また、最初は手探りで始まったオシムツイートでしたが、この方法を思いついたスカパーの担当者のぱけぱけさんには大感謝です。オシムさんと一緒に見ているような感覚を味わうことができました。今回のワールドカップはまだ決勝を残していますが、自宅でオシムさんと一緒に見たワールドカップとして深く記憶に残る大会となりました。
パラグアイ戦の直後にグラーツオシムさんに中継がつながり、オシムさんの言葉を通訳する千田さんの言葉が一瞬震えた時の映像を見ると、今でも心が揺さぶられます。あの瞬間が今大会の忘れられない瞬間になりそうです。

「わたしもここに座りながら、一緒に戦っていました」

シュテータ!(パラグアイ戦) 「オシムの伝言」公式ブログ オシムさんの通訳の千田さん