佐野元春 THE LAZY DOG LIVE '05

昨夜は『佐野元春 & THE HOBO KING BAND』の一夜限りのライブを見に、渋谷のDUO music exchangeに行ってきました。このライブは雑誌の「Weeklyぴあ」を買って、専用はがきで応募して当選した人だけがチケットを購入できるというライブでしたが、行って良かった!!!


300人ぐらいなのかな、それぐらいの人数が入るかなというライブハウスなのですが、席がびっくりです。1F、2Fの指定席と立見席があったのですが、応募して当選したのは1Fの指定席でした。席は通し番号で割り振ってあって、行ってみるとステージ正面の前から2列目の席なのですよ。一番前は撮影カメラ用のスペースで、1列あっての2列目なのですが、佐野元春さんが3m先にいるという感じです。左右もステージセンターから横に1席分ずれただけで、こんな前で見ていいの?と思うような席でした。ステージ上から元春さんも「今日は僕のうちのリビングルームにゲストとして来た感じで楽しんでください」と言ってましたが、6畳の居間にいるような近さです。


開演前には日産ノートのキャンペーンVTRのような上映が15分くらいあって、吉岡美穂さんが主演で、最近は少し関係が冷めてしまった若い夫婦がノートに乗って仙台にフラリと旅行をして、お互いの関係を見つめなおし愛を誓う、その時に楽天フルキャストスタジアムで観戦に来ている佐野元春さん(本人出演)と偶然出会うという設定でした。VTRとしてはつまらないのですが、元春ファンには面白いという、不思議なVTRでした。
それと開演時に元春さんが「ミカコです。」と言って、ピレニアン・マウンテンドッグを連れてステージに出てきましたが、さすがに大人数の知らない人を相手で落ち着かなかったのか、1曲目の演奏中に退出していきました。


演奏は、もう最高。イスに腰掛けて歌う形のステージでしたが、こじんまりした会場に合わせた楽曲の数々でしたし、トークもアットホームで面白かった。演奏した曲の中では、「バルセロナの夜」と「こんな素敵な日には」という昔のラブソングが2曲続いた時は最高でした。どちらもライブで演奏は少ない曲ということで、「バルセロナの夜」は初期のツアーでだけ、そして「こんな素敵な日には」にいたってはライブでの演奏は初めてということでした。何だか聴いていて涙が出そうでしたよ。その次に演奏した「ドゥー・ホワット・ユー・ライク−勝手にしなよ」も楽しかったです。


また昨日がジョン・レノンの誕生日だったということで、「カム・トゥゲザー」もカバーしたのですが、演奏する前に「ビートルズは僕にとっての古今和歌集だった」という言葉を聞いたときの会場の微笑ましい雰囲気は最高でした。狙ったボケなのか天然なのかは分かりませんが、相変わらずトークは絶妙の間を持っている方です。メンバー紹介のトークも何とも言えない間で話すから、普通に話していることがすべて面白い話に聞こえてしまいます。


19時30分から始まったライブはアンコール曲の「ロックンロール・ナイト」まで1時間45分間、ちょっと短かったけれど中身の凝縮された楽しいライブでした。元春さんの髪の毛1本から汗の1粒まで見えるような近さで見ていたライブでしたが、それ以上に内容も最高でとにかく楽しいライブでした。
大きな会場でのライブと違ってノリノリのパワーある演奏ではありませんでしたが、その分アットホームで友達の演奏を聴いているような、そんな距離感の近さがあるライブでした。


関連リンク
Tomioblog 井上富雄さん


公式ページより、セットリスト

THE LAZY DOG LIVE '05 セットリスト(昼・夜とも)
麗しのドンナアンナ
レインボーインマイソウル
約束の橋
すべてうまくはいかなくても
ロックンロールハート
彼女の隣人
バルセロナの夜
こんな素敵な日には
Do What You Like - 勝手にしなよ
ComeTogether(ビートルズ・カバー)
恋しいわが家
希望
レイナ
ドライブ


アンコール:
ロックンロールナイト

テレ朝ラトビア戦の中田選手インタビューについて

昨日のエントリーで中田選手のインタビューについて少しだけ書きましたが、そのエントリーに対してタイで想う日々さんからこのようなコメントを頂きました。
以下コメントを引用します。

『勉強をしていない記者の質問には”見れば分かるでしょ”と言いたくなる』、なるほどヒデはそんなことを言っているのですね。であれば、『見れば分かると想うんですが……』と枕詞をつけてインタビューに答えれば良いのです。『日本語』にはそういう便利な(直接的ではない便利な)表現があります。
ああいう『間』で答えれば、あからさまに相手を『小馬鹿』にしてることになりますが、そこで(頭の良いヒデの機転を利かせ)『別の言い方・表現』で対応できるハズです。誰も彼もサッカーについてヒデほどの知識を持ってるとは限らないのですから(特に地上波)。
そういう対応をwit、機知に富んでる、と言うと想うんですが、そういう『日本語能力』に関しては中田ヒデは明らかに欠けてますね(伊語、英語では知りませんが)。


この件に関して、私は中田選手を責める気にはなれず、悪いのはインタビュアーだと思うのです。
プロのサッカー選手が練習のミスではなくて試合での致命的なミスから教訓を学んでいくように、プロのインタビュアー(アナウンサー?)は放送でのミスから学んでいくものではないでしょうか。 あの場面でインタビュアーの下手さ加減を選手が補うこともあるでしょう。 例えば宮本選手なら、質問にすらならない質問に対してもたぶん自分で答えを作り出して、相手の求めているコメントをしたのだろうと思います。 でも、それではインタビュアーは上手くもならないし、自分の下手さ加減にも永遠に気がつかない。
下手さに気がつかなければ、勉強しようとも思わないでしょう。 あんな形以外で相手の下手さを教える方法があればいいのですが、そこまで気を使うのは選手の仕事でもないと思うのです。だって、インタビュアーだってプロでしょうから。


恥をかかされた名前も知らない昨日の彼が、もし再びテレビで中田選手にインタビューすることがあったら、次は気合を入れて質問を考えて臨むでしょう。確かに中田選手に『小馬鹿』にされて恥をかかされたのも事実だと思うのですが、それで中田選手の悪口を言って憂さを晴らしているような人間なら、きつい言い方ですが所詮それ以上は伸びないでしょう。 あの悔しさをバネにして、真剣にインタビューについて考え、勉強して欲しいと切に願います。
そもそもインタビューや記者会見というのは、対象者とインタビュアーの真剣勝負であると思うのです。 どれだけ相手の口から真実や、思いもかけぬ本音を引き出せるかは、インタビュアーの腕次第。 そのためには、事前の勉強は必須でしょう。


実況といい、解説といい、インタビュアーといい、日本の国内基準の甘えた環境の上にあぐらをかいているようで、恥ずかしい限りに思えます。 中田選手のように、単身で海外基準の中に身を置いている人間からしたら、たぶん許せないのではないでしょうか。 選手が自分のポジションをサッカーのプレーの真剣勝負の中で、自分の実力で勝ち取っていくのと同じように、テレビキャスターやインタビュアーだって実力が重要で、そのポジションは競争によって自分の力で得るものではないでしょうか。 少なくとも、最初から指定席が用意されているような甘い世界ではないでしょう、海外では。


確かに見苦しいインタビューだったけど、見苦しくなったのはインタビュアーに実力がないからで、選手のせいではないと思います。 ”しゃべり”はインタビュアーの仕事で、選手の仕事はプレーすることです。 放送の良し悪しや、インタビューの出来栄えを心配するのは、テレビ局の仕事だし、テレビ局の実力があらわれているだけと思います。 そこを勘違いすると、甘えの構造は変わらないのではないでしょうか。


私はスカパーで見て以来、フリーアナウンサー日々野真理さんが好きで応援しているのですが、日々野さんの日記などを読むと、選手にインタビューする時には、どのように質問をしたらその選手の良さや本音が引き出せるか、かなり真剣に考えて悩んでいらっしゃいます。試合後の質問ですから事前に内容まで考えるのは難しいと思いますが、マイクを向けることだけが仕事ではないはずです。視聴者以上に90分間の試合を真剣に見て、ポイントを見つけ出し、質問する。それができないのであれば、勉強する。
中田選手には『日本語能力』が欠けているのではなく、 中田選手にとっては、日本のマスコミの『甘えの構造が許せない』のだろうと思っています。


最近のテレビ、特にスポーツ実況を見ていると、針の筵の上を歩くように、居心地が悪いです(笑)。

以下追記

下のコメント欄にも書きましたが、中田選手のインタビューの態度が許せるか許せないかは、彼とマスコミの関係をどう思っているかが大きいような気がしてきました。こちらの「ジョカトーレ」の中の中田選手のインタビューを読むと、見方が変わるのかもしれませんので、参考までに貼っておきます。

ジョカトーレ-中田英寿新世紀へ

ジョカトーレ-中田英寿新世紀へ

中田英寿 鼓動

中田英寿 鼓動

(現在は文庫本も出ているようです。)

関連エントリー
ラトビア戦ヒデインタビュー KET SEE BLOG ケット・シーさん
インタビュー話 Que sera sera ―有閑東京倶楽部― 西将風さん

高円宮杯決勝 ヴェルディユース - 札幌ユース

helguera2005-10-10

高円宮杯の決勝を見に、埼玉スタジアムまで行ってきました。
開始時間を確認しようとJFAの公式ページを見たら、日本代表ユニを着ていくと入場を無料にしてくれると言うことで、下にヴェルディユニを着てその上から代表ユニを重ね着し、埼玉スタジアムに向かいました。今日はユースの試合ということで、駐車場もスタジアムに隣接した場所に無料で止めることができたので、何だかラッキーという感じです。


試合については、ヴェルディユースが中盤がフラットの4−4−2で、札幌ユースが中盤がダイヤモンドの4−4−2といった感じでしょうか。札幌は4−3−3に見えることも多かったので、自信はありません。前半は両チームとも先制する気持ちよりも先制されたくない気持ちが強かった所為か、攻撃はするものの決定的なチャンスには結びつかず、守備の形を崩さない、そんな意識が見え隠れする膠着状態で、0−0のまま前半終了です。


しかし後半7分、札幌が先制して試合が動きます。右サイドからのGKとDFの間を狙った低くて速いクロスに、ヴェルディGKが反応しますがボールのコースを変えるのが精一杯で、こぼれたボールが札幌の岡選手の足元に、これを落ち着いて蹴りこんで札幌の先制です。
しかし、これで攻撃する気持ちが強くなったヴェルディは、すぐさま選手交替をして征屋智和選手(弟)を投入して3トップ気味にフォーメーションを変更します。すると後半の17分、ヴェルディの左サイドからのクロスに対し、ニアに飛び込んだヴェルディの選手と札幌のGKとDFが一緒に競ってしまい、ちょうど札幌のDFが頭で後ろにそらすような形になり、ファーサイドでフリーで待っていた投入されたばかりの征屋智和選手が落ち着いて頭で決めて同点にします。


ここからはもうヴェルディの時間帯で、後半36分にはオサマ選手が右からのクロスをゴール前で合わせ、飛び込んでくるGKを嘲笑うかのようにループ気味に浮かせてヴェルディが2−1と勝ち越します。さらに1分後の後半32分には、気持ちが前がかりになった札幌の裏を突いて、右サイドからのアーリークロスをゴール前で待っていた征屋智和選手が落ち着いてトラップをしてDFをかわし、ニアの狭いところをズドンと撃ち抜いて3−1。ここで勝利を確信しましたが、さらに後半38分には、オサマ選手も今日2点目となる得点を決めて4−1となり、試合の行方を決定しました。


得点を決めた征屋智和選手ですが、15歳とは思えない落ち着きで、得点の場面以外でもファーサイドでフリーでヘディングをしたり、本人の2点目となった場面でも落ち着いてDFをかわしGKの位置を見て決める。このまま順調に成長したらどんなFWになるのだろうと、非常に楽しみな選手でした。
またオサマ選手ですが、前半から積極的に動いてボールを引き出し、相手ともファイトするいい選手ですね。自身の1点目となる勝ち越しのゴールの後ではまっすぐにヴェルディサポが陣取るコーナーフラッグ周辺に駆けてきて喜びをあらわすし、2点目の場面ではユニフォームを脱いでイエローカードを貰うオマケ付でした。


これでヴェルディユースが優勝を決め高円宮杯を手に入れ、今年は元旦のトップチームの天皇杯とあわせて皇室関係は2冠です。しかし最近トップチームの成績は思わしくないので、ヴェルディが4−1で快勝をする試合を見たのはいつ以来だろう。思い出せないくらいに久しぶりの快勝でした。
試合後の表彰式が終了し、ゴール裏コーナーフラッグ周辺のヴェルディサポと選手が優勝の喜びを分かち合っている時に、反対側の札幌サポから『東京ヴェルディ!!!」というコールが聞こえてきた時は、ジーンときました。どうか、札幌も頑張ってトップチームもJ1に戻ってきてくださいね。ああ、その時にヴェルディもJ1にいられるように、先ずは今シーズン頑張ってJ1残留しないといけないですけどね。