日本一周 オホーツク編3

サロマ湖を離れ網走をかすめて内陸に向きを変え、国道39号線で美幌町に向かう。ここで国道243号線に折れ、ひたすら美幌峠を登っていく。峠を登ると言っても、美幌町から登っていくと大きな曲線しかないので、本州で言えばほとんど直線を走っているようなものだ。美幌峠の駐車場にバイクを止め、展望台に向かう。何度見ても雄大な風景だ。
屈斜路湖に下りると周辺の観光地は素通りして、川湯温泉から国道391号線に乗り小清水町を目指す。小清水町から斜里町を目指す道道269号線は途中信号はあるものの本当にひたすら直線だ。アップダウンはあるものの、約20キロぐらい直線が続く道は珍しいだろう。


斜里町というのは有名な知床半島の左の付け根にある町で、ほとんどの観光客はここからウトロを目指すだろうが、あえて標津町を目指す国道244号線に乗る。この道には観光地はないが、約50キロ近く信号がない一本道の峠道だ。車を運転していても信号のない道は気持ちがいいとは思うが、バイクで信号がない道を走るのは格別だ。バイクは自立できない乗り物だから、信号で止まる時は必ず足を突いて支えなければならない。50キロ近く信号がないということは、約1時間以上一回も足を突かないでラインディングできるということだ。そんな場所は、一般道ではほとんどない。気持ちよく標津まで走りきった。


今日の宿泊地は尾岱沼と決めていたが、キャンプ場に行く前に野付半島を一走りした。地図で見ると野付半島は北海道に突き出た海老の尻尾のような小さな物だが、実際に走ると先端の駐車場まで片道20キロぐらいある。駐車場にバイクを止めて歩いたり馬車に乗ったりして砂州を歩けるようだが、駐車場のまわりを散策して再び付け根に戻った。原生花園などを見ることはできなかったが、海に沈んだナラワラの風景は幻想的だった。


尾岱沼でのキャンプ場は尾岱沼青少年旅行村だ。青少年旅行村と言っても立派な管理棟がある設備の整ったオートキャンプ場だ。海越しに先ほどの野付半島が広がっているので、キャンプ場の目前に広がる海は穏やかだ。芝生の綺麗なキャンプサイトには、立派なキャンピングカーも止まっているし、どこかの大学の自転車部のツーリングだろうか、チャリダーの姿も多い。そしてこのキャンプ場の優れているところは管理棟が立派で大広間のようなテレビを見ることができる休憩室やコインランドリーもある。テントでの夜にはすることはあまりないが、キャンプ場にコインランドリーがあるというのは夜の過ごし方としてはとても助かるものだ。
夕食前にバイクで5分ぐらい走り、街中の銭湯のような入浴施設に入った。どうやらここも温泉らしい。北海道は、どこにでも温泉があって、ありがたい。