大会6日目

昨夜は日本の試合に興奮して疲れきってしまったし、埼玉スタジアムからの帰りのシャトルバスは乗るまでにも長蛇の列で時間が掛かった。バスに乗ってからもJRの人身事故ということで、バスの目的地が決らず待たされる。家に帰ってきたときはクタクタだった。でも、今日も休みで助かった。今日は鹿島スタジアムに行く。自力で初めて取った日本開催試合のチケットだけに感慨深い。ましてや興味を引かれているアイルランドの試合だ。鹿島までの距離も気にならない。ただ、体のことを考えると本当は鉄道で行きたかったのだが、試合開始時間が20:30ということで、帰りの時間のことを考えてバスで行くことにする。


とにかく暑い日だった。半そで短パンでも暑くて暑くて倒れそうだった。直行バスの出る新宿は都会の熱気もあり信じられない暑さだった。バスに乗りウトウトしているうちに鹿島に着く。海からの風が少し気持ちいい。スタジアムに行くとすでに開場を待って列ができている。列の最後尾を探して歩いているとフランスワールドカップ観戦ツアーで一緒だったBさんと出会う。特にフランスで一緒に行動していたわけじゃないけれど、あの時のツアー仲間に遭うと、同じ戦いをくぐりぬけた同志のような気がする。チケット争奪戦。連絡を取り合っているわけではないが、同じ日本代表を追いかけていると、偶然会うことも多い。コンフェデの会場でもBさんに遭った。長居のエジプト戦を見に行った時は関西在住の人と公園の入口で偶然会ったっけ。昨日の日本戦の話をする。プレステージチケットを購入して日本戦を見たとの事、みんな苦労している。立ち話を終えて列の最後尾に並ぶ。


スタジアムに入って席に着くと、2階席で風が吹きぬける。昼間はあんなに暑かったのに、日が暮れたとたん海風が体に痛いくらいだ。席を離れ通路におりると風もなく過ごしやすいのだが、いかんせんそこはもうアイルランドそのもの。これが噂のアイルランドサポーターかと思いつつトイレに行くと、トイレの中は外国だった。試合開始を待ちきれずビールで盛り上がっているアイルランドサポーター10人以上がトイレの中にいて、日本人は2〜3人。ここは何処?、ここはアイルランド
でも、みんな大きいけれど気のいい奴らでいっぺんにアイルランド贔屓になる。ドイツサポーターも明るいけれど、どこか真面目だ。まあ、もともとアイルランドを見に来たんだけどね。


ドイツ 1-1 アイルランド 20:30
試合は前半に先制したドイツがそのまま逃げ切るかと思われた後半ロスタイム、途中交代のクインが落としたボールを至近距離からロビー・キーンが蹴りこんでカーンの壁を突き破り、劇的な同点ゴールで試合終了。得点後のキーンのパフォーマンスがすぐそばだったので、余計印象的だった。この大会で私が直接会場で見た中で、一番劇的な試合だった。内容としてはつまらない試合かもしれないけれど、先制して余裕で試合を運ぶ大男ドイツに対し、(ドイツ人に比べれば)小柄なアイルランドが真面目に走って、走ってを繰り返し、反撃を試みるが得点できない。後半30分前後にクインが投入されると、今度は徹底的に真面目にクインの頭を狙う。サイドのプレーヤーがフリーでボールを持っていても、クインがペナルティエリアに入らないと絶対にクロスは入れない。とにかくクインの落としたボールを狙ってキーンが飛び込む形を徹底して、それで同点にしてしまったことが印象的だった。


印象的といえば、帰りの新宿行きの直行バスにフラフラ乗り込んできた酔っ払ったアイルランドサポーターはどうなったのだろう。バスの中でひとしきり騒いだ後は寝てしまって、新宿に着いたら訳が分からない様子で夜の街に消えていったが、あいつは新宿に行きたかったわけではないと思った。まあ、宿の浴衣で歩いていたアイルランドサポもいたことだから、アイルランド人のやることは分からないが。