浦和 - インテル

helguera2004-07-27

埼玉スタジアムで行われたさいたまシティカップ浦和vsインテルの試合に行ってきました。
浦和はアジアカップやオリンピックの関係で代表組がいませんし、インテルはシーズン前でチームを2つに分けて、主力の大半が来日しないというメンバーでしたね。


極東遠征と7月27日のティム杯が重なるのが少々問題だ。

今のところ問題点は二つ。
「極東遠征と7月27日のティム杯が重なるのが少々問題だ。どうやってチームを分けるかはこれから考える。ビエリは世界最高のFWの一人だ。ユーロ2004(欧州選手権)でけがをしたため、ゆっくりとしたペースでトレーニングを開始している。落ち着いて準備してほしい。チャンピオンズリーグの予備戦までには間に合わせなければならない。だが、彼に依存したプレーをするわけではない」

今日埼玉スタジアムに来ていた56,000人のうち、このような条件で開催される試合だということをどの位のお客さんが知っていたんでしょうね。
さらに両試合の優先順位はこのような結果だったのですね。
インテルのマンチーニ監督「ティム杯が第一段階の総括」

今季初めてのサンシーロでの試合となる、ユベントスミランとの3チーム対抗戦(ティム杯)を前に、インテルロベルト・マンチーニ監督はプレー内容の面でこれまでやってきたことの結果を見たいと語った。
「明日の試合がこれまでの第一段階の総括となる。15日間のトレーニングで何をやってきたか見ることができるだろう。それはインテルにとってもそうだし、他の2チームにとってもそうだ。もちろん、試合をする以上は負けたくはないという気持ちもあるだろう」

まあ、私は最初からもの凄く期待していたわけではなく、直前になって休めることが決まったので、それなら行こうかなぐらいの感じなのですが、夏休みですから多くの少年少女たちが来ていたので、このような事情で主力選手が来日しないにもかかわらず、『インテルが来るんだ、あの選手が見られるんだ』なんて楽しみにしている子供たちにはがっかりかもしれないな、などと思いながら見ていました。


試合の方は、インテルのプレーを注目する雰囲気と浦和を応援しインテルをブーイングする雰囲気が微妙に混じりあい不思議な状態でしたね。メインスタンド2Fややホームよりというあたりで見ていたのですが、前半は私の前ではアルパイ、山田のレッズ右サイドに対してレコパが仕掛けていくなんて場面を堪能していました。アルパイ選手を生で見るのも楽しみだったのですが、いいですね。ちょっと離れたところにフリーになっている相手選手がいると、そこにボールが出そうだから詰めて対応に行くのではなく、あらかじめ危険を察知してフリーの選手を先に潰しに行ってボールを奪ってしまうような印象ですね。積極的な守備という選手なのでしょうか。


また、前半の途中でバックスタンド側からのインテルコーナーキックを3本続けてレコパが蹴るという場面があり、ボールの弾道を真正面から見ていたのですが、凄いわ、凄いもん見たという衝撃でした。まず、キックのボールスピードが日本人選手が蹴るスピードの倍くらいあるんじゃないのって感じなのと、曲がり方も凄いんです。コーナーフラッグからゴールまで同じように大きく曲がってくるのではなく、蹴ってすぐ3m位でググッと曲がるような弾道なんです。いったんフィールドの中に入ってすぐ急に曲がって後は一直線にゴールを目指して突き進んでくるミサイルのようでした。この3本を見ただけでも、チケット代の元は取った気持ちになりました。


それと、インテルの攻撃でインテルから見て右サイドから強烈なシュートが放たれ、浦和の都築選手がかろうじて弾いたボール(?)がゴール正面のレコパ選手の足元に転がったんです。見ている私も次は左足で強烈なシュートだ!っと思い、浦和のDFも2人が体を投げ出してブロックに飛び込んだのです。しかしシュートモーションだと思った次の瞬間、レコパの左足は途中で振りのスピードを緩め、インテルの左サイドでドフリーになっていた選手へのピタリピンポイントのラストパスを出していたのです。その選手のシュートは惜しくもポストを直撃して、得点には至りませんでしたが、あの左足の技術とシュートのリバウンドが飛んできた瞬間的な時間の中でしっかり逆サイドのフリーの選手を見ている視野の広さには驚かされました。このプレーを見ただけでも、チケット代の元は取った……(しつこいですね、でも結構高いんですから)


試合内容はまあそんなものかな、という印象だったのですが、主審の判定に対してインテルの選手の不信感がどんどん募っていくのが、見ていてつらかったです。前半にはインテルFWとGKの都築が交錯しますがこれはPKとはならず、ちょっと波乱の予感で試合がスタートします。逆に浦和の決勝点は後半にエメルソンがもらったPKの1点でした。どちらも自分に近いサイドで起こったのですが、最初のやつがPKじゃなければ、後半のも違うんじゃないかな、後半のやつがPKなら、最初のもPKじゃないのかな、と感じました。

試合後半は、インテルの選手がスタミナが切れてきたというよりは、審判に対する不信感で集中がきれていたように感じました。こんな親善試合にもかかわらず、乱闘寸前までいきましたからね。相手に足をかけられて倒れこんだエメルソンに別のインテル選手がクリアのような形で結構強くボールをぶつけ、一瞬遅れて立ち上がったエメルソンがインテル選手に詰め寄って、後は両チーム入り乱れての大混乱です。ハーフタイムにオリンピック出場の挨拶に来ていた田中闘莉王選手が私服で殴りこんでくるんじゃないかと心配するほどでした。


アジアカップの合間に(今日も他国は試合しているんですが)ちょっといいもん見たな、という1日でしたが、帰ってきてスポーツニュースを見るとこの試合はほとんど取り上げられておらず、ただ今日来日しただけのレアル・マドリーの映像ばかりなのでがっかりでした。それにしても来日当日に深夜12時過ぎまでテレビに生出演しなきゃいけないレアルの選手も大変です。それじゃいいプレーもなかなか見せられませんよね。


インテルのモラッティ「日本遠征は大事なチャンスだと思っている」

「クラブは今回のチャンスをとても重要だと思っている」とモラッティ。「日本にはたくさんのインテリスタインテルのファン)がいるとわれわれは知っている。今回の極東遠征で彼らの応援に恩返しをしたい」

 モラッティは「今回の遠征に参加してくれた選手たちに感謝しなければならない」とチームを激励した。

日本へ立つ直前にこんなコメントをするくらいなら、もっと違うメンバーをつれて来いよって感じなのですが、埼玉スタジアムにかなり来ていたインテリスタの方々は満足できたのでしょうか。私の印象では20人に1人位の感じでインテルユニを着ていた方がいたように思ったので、どうだったんでしょうね。