やっぱり今の日本サッカー協会は支持できない
アルゼンチン戦のマッチメイクについてはジーコ監督と選手たちに同情してしまいます。
――アジアカップで優勝した場合、こうしたこと（コンディションの問題）は想定できたと思うが、あえてこの試合を組んだ理由は？ またそれを拒否する考えはなかったのか？
まずマッチメークをするにあたり、私は現場の指揮官として、この時期に試合をするのはどうかということを協会のスタッフと協議するわけです。私としてはもちろん勝ちたいし、協会としても（試合を）組みたい。ただ（アジアカップが）アウエーなので、厳しいかもしれないという意見の交換はありました。ただし私は雇われている身ですから、協会が自分の意見を聞いた上で「この時期に」ということであれば、従うしかないわけです。逆に私としても、選手たちを招集してそこで最高のパフォーマンスを求めるしかない。もちろん今日の試合も勝つつもりでいましたし、アルゼンチンとも３回目の対戦ということで、時期的にずらした方がいいかもしれないということは申し上げました。ただし相手がある交渉ごとでもありますから、どんなときでも自分たちが出来る最高のパフォーマンスを見せるのがプロですし、自分たちとしてもそういうつもりでピッチに立ったわけです。
日本サッカー協会は選手たちのコンディションやワールドカップ予選に向けてより、明らかにお金儲けしか考えていないのでしょうかね。アジアカップ終了後にＪリーグも開幕して、この暑さの中で選手達のコンディションは最悪でしょう。また、ワールドカップ予選に向けてのマッチメイクなら、アルゼンチンではなくて、違うタイプの相手のほうがいいですよね。
これには、さすがにジーコ監督も可哀想に思えてしまいます。
――先ほど、この試合を本意ではないといったが、それでも選手たちはもっと高いパフォーマンスを発揮すべきだったと思うか？
今日のようなコンディションの中で、選手たちは出来る限りのパフォーマンスを出し切ったとは思います。これ以上のものを望むのは難しかったとも思います。ただ、今日はアルゼンチンが相手でしたが、これがドイツやイングランドといった世界的な相手の場合でも、今以上のパフォーマンスを期待するのは難しいでしょう。ただ、プロとして、お客さんもいるわけですし、日本代表のユニホームを着ているわけですから、気持ちとしてはやらなければならないわけです。もちろん今日は、精神的に強いものをもって臨まなければならなかったのですが、それが非常に難しい状況でした。
まったくです。
日本はアジアカップを終えたばかりで、モチベーションとコンディションの維持が難しく、加えて国内組のみのメンバー構成。対するアルゼンチンにしても、若手の主力がアテネ五輪に出場しており、ベロン、アイマール、クレスポ、サネッティといった欧州で活躍するスター選手たちも招集できず、実質「南米予選に向けたセレクション」といった意味合いが強い陣容となった。
（中略）
なぜこの時期にアルゼンチン戦なのか、という疑念を私はぬぐい去ることができない。９月８日のワールドカップ・アジア１次予選の対インド戦を想定したものでもなく（それはジーコ監督自身が強く否定している）、またインド戦に向けてのメンバーが招集できなかったこの時期に、あえて南米の強豪とマッチメークする必然性は、果たしてどこにあったのだろう。日本の強化という意味でも必然性が感じられない上に、はるばる蒸し暑い日本にやって来たアルゼンチンに対しても礼を失するように思えてならない。
（中略）
「私も雇われている身ですから、協会が自分の意見を聞いた上で『この時期に』ということであれば、従うしかないわけです。（中略）時期的にずらした方がいいかもしれないということは申し上げました」
ジーコも、試合後の会見でこう述べている。指揮官自身、アルゼンチンの強さ、そして偉大さを熟知しているだけに、今回のマッチメークのあり方については憤まんやるかたない思いだろう。だが、現場の人間以上に気の毒なのが、９０００円もするチケットを購入したファンであり、新幹線でスタジアムに駆けつけたサポーターである。もちろん、代表戦が日本協会の大きな収入源であることは十分に理解しているが、それでも強化スケジュールや選手のコンディションを度外視するようなマッチメークは、今後は謹んでいただきたいものだ。今回のアルゼンチン戦は、よい教訓になったはずである。
私もそうですが、チケットを買って、新幹線の乗って見に行っているわけです。それでもまだ、私のように関東地方に住んでいて、日本代表の試合を見る機会の多い人間ならまだいいですが、何年かに１回日本代表が自分たちの住む街の近くにやってきて、とても楽しみにしてチケットを買ったファンの方々にあのようなコンディションの試合を見せて申し訳ないと、日本サッカー協会は思わないのでしょうか。
ジーコ監督についてもいろいろ思うところのある私ですが、それ以上に日本サッカー協会は何とかならないものでしょうかね。
