サッカーコラム

後でじっくり読もうと思っているコラム。
好調バルセロナと不調レアル・マドリーで考える中盤の役割  木村浩嗣の「誘惑と憂鬱のスペインサッカー」

レアル・マドリーの中盤の正体

(1)監督が与えた戦略(ボールキープでいくか、カウンターを狙うか、コンパクトにするかなど……)
(2)監督が個々に命じた役割(攻撃参加を控えるとか、第2列から積極的に飛び出すとか、相手のキーマンをマンツーマンでマークするとか……)
(3)配置される選手の特徴(足が速いとか、長い距離を走るスタミナがあるとか、マークが得意とか、1対1に弱いとか……)

 以上、(1)(2)(3)から見ると、レアル・マドリーの中盤の正体が見えてくる。
 ヌマンシアとのリーグ第2戦を例にとると、2列目の「3」には、左からジダン、ラウル、フィーゴが起用されていた。この3人のうち最も守りの意識が高く、後ろまでポジションを下げ、ベッカムエルゲラを守備面でサポートしているのは、ラウルである。カマーチョがラウルに守備を命じているかどうかは知らないが、昨季のケイロス監督時代から、もっと言えばベッカムボランチになりマケレレチェルシーに移籍してから、ラウルは厳密には第2FWでは無くなっている。統計によると、シュート数は極端に減り、90分一度もシュートしないことも、まれではない。ゴール数の激減や疲労の蓄積には、こういう損な役割を与えられている(自主的に負っている?)ことも、決して無関係ではない。