エル ゴラッソ007号

今回の007号で鹿島vs浦和戦の試合終了後に起きた一部鹿島サポーターの暴挙について小島耕さんが『悲しきゴール裏の光景』というタイトルでコラムを書かれています。これを読むためだけでも買って欲しいのですが、買いたくても買えない地域が多いのですよね。残念です、早く全国で発売をお願いしたい。

『EL GOLAZO』定期購読のお申し込み受付を開始いたします。
全国発売ではないですが、定期購読できるようです。とりあえず、一歩前進ですね。


でも、まだ読めない人のため…

悲しきゴール裏の光景
投げ込まれたビール缶

93年のJリーグ開幕当初から数年間にわたり、私は鹿島のゴール裏で選手をサポートしていた。地方に誕生した小さなクラブが、選手もサポーターもこの12年間でトップクラブとなる過程を地元で見てきたつもりである。それだけに今回のトラブルは残念でならなかった。あまりにも悲しい光景だった。


試合後、鹿島の選手がゴール裏へあいさつへ行った際に観客席からビール缶が投げ込まれた。その缶を本田が観客席に投げ返すと、その行為に腹を立てたサポーター約30名がピッチに飛び込み、本田につかみかかりゴールネット付近で乱闘騒ぎに発展。本田は口が切れるなどの被害を受けたが大きなけがなどはなく、また本田がビール缶を投げ返した際にもけが人などは出なかったことは不幸中の幸いであった。鹿島署が飛び降りたサポーターに対し、3時間以上かけて事情聴取したが、スタンドから缶を投げ入れた人物は特定できず今後も捜査が続けられることになった。また、クラブサイドも人物が特定できるまではゴール裏席へのあいさつを自粛することを決めるなどクラブ、選手とサポーターの信頼関係が壊れてしまう状況となってしまった。


Jリーグは共通禁止事項として花火、爆竹、発煙筒、ガスホーン、ビン、カン類の持ち込み、フィールドへのモノの投げ込み、フィールドへの飛び降りに関して厳しい規定を設けている。現時点ではビール缶を投げ入れた人物の特定はなされておらず、今後のクラブ側の対応を待つしかない。また本田本人は「髪をつかまれて殴られた」と認めてはいるが、実際に暴行を加えた人物に対してのクラブ側の対応は現時点では発表はされていない。


「聖域」であるピッチ上に飛び降り、さらにはリスペクトする対象の選手に暴力をはたらく行為は、サッカーを観戦するうえで倫理的にも絶対に許されるものではない。鹿島フロントとサポーターは過去に何度かJリーグ共通禁止事項を犯した行為に対して、お互いの協議を経てスタジアムルールを作ってきただけに今回のトラブルは非常に残念である。


今後の良好な関係に向けて

Jリーグの理念の一つである「地域密着」を具現化してきた鹿島。フロントもチームも、そして老若男女問わないサポーターと歩調を合わせ成長してきたその歩みは、後から続く全国各地のJクラブを勇気づけた。しかしその成長はクラブとサポーターの関係をシンプルな友好関係から複雑化させてしまったのではないだろうか。今回のトラブルはその状況に一石を投じるきっかけになったであろう。


今回のトラブルに関し、クラブ側からの正式な経過、状況説明はまだされていないが、真相究明がなされることを願いたい。今回のトラブルが起きた過程などをクラブ側はサポーターサイドと一緒になって明らかにしなくてはいけないだろう。そのことが今回の事件と関係のなかったサポーターへの安心感を生むはずである。サポーターが選手に殴りかかる姿は正常ではない。弊紙でもサポーターとクラブの関係については焦点を当てて、引き続き取り上げていきたい。


鹿島アントラーズオフィシャルサイトでもまだ何の動きもないようですね。クラブの見解を待ちましょう。まさかこのまま何も無かったかのように騒ぎをやり過ごすわけではないですよね。