下克上と日本代表の縮図

「危険な選手」という存在感 宇都宮徹壱天皇杯漫遊記
うーん、深い。後でよく考えよう。

今大会の天皇杯を見る限り、格下のカテゴリーに属するクラブが戦闘能力に勝るトップリーグのクラブに勝利するには、戦術やさい配、さらには運気を呼び込むことで、かなりの勝率を上げることが証明されたと言えそうだ。
 だが一方で、接戦を強いられながらも「J1の面目を保つ」ことができたクラブには、ある共通点を見いだすことができる。それがすなわち、ブッフバルト監督が言うところの「危険な選手」の存在ではなかったか。浦和しかり、鹿島アントラーズしかり、横浜F・マリノスしかり、FC東京しかり、ジュビロ磐田またしかり。
 これらのクラブには、不利な状況を個の力で覆すことができる「危険な選手」が、何人も所属している。加えて指摘するならば、そうした選手の大半が、現・日本代表監督から愛され、信頼され、幾度となく招集されていることは、何とも意味深長ではないか。