ドイツ戦後 ジーコ監督会見

記者会見で本音をすべて言っているとは思えませんが、あの試合の感想がこれでは不安です。

これが同じレベル(の相手)であれば、これほど点差が開くことはなかったと思います。ただし、ドイツあるいはブラジル、アルゼンチンといったチームと一騎打ちになった場合、どうしてもミス絡みで失点してしまう。逆にいえば、相手は確実に(ミスを)得点に結びつけてくるという事を、もう一度(選手たちに)肌で感じさせた(試合だった)と思います。

6万人の観衆を集めてこれだけですか。

自分たちの形が90分できなかったということであれば、確かに問題ですが、メンバー的に見てもけが人が多かったですし、出ていた選手もああいうアップアップの状態だったわりには、内容的には次につながる戦いができたと思います。この敗戦を引きずってしまい、最終予選の準備に支障をきたす事はないですし、さらに上のレベルを狙うために、いい教訓にしていきたいと思います。

うーん、昨夜の試合の中に自分たちの形がどれほどあったのでしょう。内容的にも次につながるものがあったとは思えないんですけどね。

本大会では、最初から最後までこういう強いチームと戦うということを肝に銘じながら、最終予選を勝ち抜いていかないといけません。今日のようなフレンドリーマッチでは、自分たちが何かを得る事が、大事だということを(選手たちと)確認しました。そういう形で、この試合をとらえたいと思います。

本大会に出場する前の最終予選の心配をしているんですけどねぇ。


一番怖いのが、次のコメントです。

現時点で、体力的なこと、あるいはフィジカルコンディション、そしてスピード(に勝る相手)にどう対抗していくのか。それについては、あまり不安を持っていません。

 というのも、われわれのメンバーもコンディションさえよければ、確実に守り方も分かってますし、フィジカル・コンタクトが強い相手に対しても不必要なファウルをしないで対処することもできます。

 むしろ今日の試合で心配だったのは、ひとつのミスでボールを取られて、そこから失点してしまうということ。フィニッシュまで持っていかれてしまう、その精神的な部分での自覚。ミスをしない、いかにミスをしないか、ということを(選手たちに)植え付けて行くことが一番の課題だと思いました。同じアジアのレベルで3点取られていたかというのは、疑問です。ただ次(本大会)に進んだ時、そうした厳しさが必要になってくる。それが一番、私が心配していることです。

なぜミスが多数生まれるんでしょうね。シーズンを終えた直後でフィジカルコンディションが悪いことがすべての原因なのでしょうか。精神的な自覚が足りないだけなのでしょうか。


私にはそうは思えないのですよ。ジーコ監督のチーム作りの特徴である『固定したメンバーで多数の試合を行う』という方法は、そのメンバーが揃った試合ではそこそこの内容を実現できるでしょうが、昨夜のドイツ戦のメンバーのように、普段の代表戦でレギュラーでない選手が出た時にはそもそも試合にならない可能性がとても高いわけですよね。アジア一次予選のレベルでも苦戦するのに、最終予選や本大会での成績を楽観視できることのほうが不思議です。


来年行われる最終予選でもメンバーが揃わなかったり、直前合流になる選手もいるでしょうから、その時に昨夜のような試合を再現されてしまったら……と思うとゾッとします。
そして本当に心の底から寒さを感じるのは、代表監督が昨夜の試合の『うまくいかない原因』を本当に理解しているのかどうか、分からないことです。ドイツという対戦相手の強さというかネームバリューと、日本選手のシーズン終了によるフィジカルコンディションの悪さ、この2点を強引に昨日の試合内容の悪さの理由付けにしているように思えてならないのです。昨夜の横浜の夜の寒さ以上に私の心を寒くする不安、これが杞憂に終わればよいのですが。