楽観的 or 悲観的

来年早々の事前合宿のメンバー発表を見て、1年前の今頃も同じようなことを言ってたな〜という思いに駆られ、記事を探してみたら同じような状況でした。
そんな記事のいくつかを見ながら感じたことなのですが…


今回の久保選手や坪井選手の招集もそうなのですが、怪我からの回復状況にかかわらず、ファミリーのメンバーというか、ヒエラルキーの上位にいる選手はとにかく招集する。
ジーコ監督としては呼んだ上で自分の目で判断したいということでしょうが、サポ的視線で見ると『本当に大丈夫なの? 代わりの選手を呼んでおかなくていいの?』と不安になってしまいます。

今となっては”ベストメンバーを出場させることが最強の日本代表なんだ”という哲学も分かってきましたので、今回の招集メンバーを見ても驚きも悲しみもありませんが、この激動の1年を経過してもなお同じ事を繰り返すジーコ監督は本当に信念の人なのでしょうね。


それともうひとつ感じていることは、ジーコ監督は非常に楽観的な方なのでしょうか。
怪我から回復途中の選手を招集したときに、我々凡人は『直らないんじゃないの、直ったとしても最高のパフォーマンスは発揮できないんじゃないの?』と悲観的に考えてしまいがちです。

でも、ジーコ監督は『怪我から復帰して、最高のパフォーマンスを発揮してくれる』と強く信じていらっしゃるのでしょうね。
この楽観的というかプラス思考というのは、選手時代に数々の修羅場をくぐってきた経験からはぐくまれたものなのでしょう。
逆に考えると、『自分は絶対にうまくいく』と自分の成功を信じている選手だけが結果的に成功して、栄光を勝ち取れるのかもしれません。


ただ、この信じる力というのも1人の選手としてはいいことかもしれませんが、監督として考えた場合、あまりにも正直すぎるとも感じられてしまいます。
人の悪い考え方かもしれませんが、最良の結果を信じつつ、心のどこかで最悪の結果にも対処しておく、そんな”ずるさ”が監督という職業には必要なのではないかと思えてしまいます。
それをリスクマネジメントと言うのかもしれません。


『ベストメンバーが揃った時の戦い方を構築しつつ、誰かが欠けた時でも大幅な戦力ダウンにならないように準備しておく。』

監督として当たり前の仕事を要求しているだけだと思うんですけどね、贅沢な要求なのでしょうか。