大宮 - 東京ヴェルディ

helguera2005-04-17

大宮公園サッカー場に行ってきました。
半袖でも汗ばむようなポカポカ陽気の中、桜の花は散ってしまったけれどサッカー好きが8,959人も集まり、スタジアムは試合開始前からいい感じです。どちらのチームも2連敗中で、どうしても勝ちたいこの試合は両チームのサポとも気合が入っています。今日はメインスタンドの前から1列目、ヴェルディベンチの真上の席です。監督やコーチの指示がばっちり聞こえますし、選手がすぐそこにいます。試合前のアップのさらに前にはアルディレス監督までボールまわしに参加していてとても楽しそうでした。


大宮はいつも通りの中盤がフラットな4−4−2、ヴェルディはDFを4バックに変えて中盤がダイヤモンドの4−4−2、平本選手がダイヤモンドの頂点で後ろに小林大吾山田卓也選手が並び小林慶行選手がダイヤモンドの底です。2トップのワシントン、森本選手と合わせて平本選手の3トップに見えなくもないフォーメーションです。この2トップの下に平本選手を入れた布陣が良くも悪くも今日の試合のポイントだったように思います。


試合は前半14分にその平本選手のエリア内の突破を大宮が引っ掛けてしまい、いきなりPKで動きます。でも、この場面で審判が笛を吹いた瞬間に一番最初に頭に浮かんだのは『シュミレーションでイエロー?』ということでした。確かに先にボールに触って前に突っついてから相手の足が来たのですが、飛び方が派手すぎましたからね。このPKをワシントン選手が落ち着いて決めてヴェルディが先制です。
これで勢いに乗ったヴェルディは珍しく手数を掛けずに攻め込みます。前半25分の2点目は右サイドの小林大吾?選手の早いタイミングのクロスを中央にいた森本選手がヒール?で流し、ファーサイドのワシントン選手がズドン。見ていて思わず雄たけびをあげてしまうファインゴールでした。


この場面以外でも今日の森本選手は良かったですね。途中ベンチのアルディレス監督からサイドに逃げずに中央で待って勝負しろとか、相手DFをチェイシングしてプレッシャーをかけろとか細かい注文はされていましたが、積極的にシュートを狙い後半のポスト直撃は惜しかったですね。ボールを受けてから簡単にさばく時と前に突破する時のメリハリが良かったです。ただ、サイドに流れた時のクロスはあまりにも正直すぎて大宮のDFに止められることが多かったので、あの辺を工夫したらスタメンでやっていけるのではないでしょうか。


ヴェルディ2点リードで2−0のまま前半は終了し後半も22分、アルディレス監督は疲れの見えてきた森本選手に代えて町田選手を投入します。私は疲れの見えてきて切り替えや攻め上がりの遅くなっていた平本選手を代えるかと思ったのですが、前線から積極的なチェイシングを展開していた森本選手の交代でした。
この交代で少し嫌な予感がしていたんですよね。途中投入された町田選手は動きに思い切りがなく、ベンチのアルディレス監督から何度も何度も追えとか走れとか上がれとか指示をされていました。試合の流れにのれていない感じです。守りの時には相手を追わない、攻めの時も裏へ走らず止まってしまい幽霊のようにフラフラ漂うだけ、嫌な感じだったんです。
ところが後半28分、大宮のDFとGKがお見合いをした一瞬の隙を突いてこの町田選手が追加点を上げてしまうのですから、サッカーは分かりません。これで3−0となり、余裕などを感じていました。


が、試合はここから急展開です。3失点で失うものがなくなった大宮が猛攻を仕掛けてきます。大宮は教科書のような4−4−2なのですが、前半はトゥット、クリスティアン選手の2トップがヴェルディの4バックにかろうじて止められている感じでしたが、後半は開始から2トップにプラス中盤の1人をサイドに張らせて3トップ気味にしてヴェルディの4バックを混乱させてきました。
後半の22分には森田選手を投入し完全に3トップにしており、3失点で吹っ切れた大宮はこの3トップにどんどんボールを集め、ヴェルディペナルティエリアに押し込んできます。そして耐え切れなくなったヴェルディは後半31分、37分と立て続けにセットプレーから失点してしまいます。
この時間帯、ベンチ前に出っ放しのアルディレス監督は中々次の交代のカードを切りません。私は大宮に1点返された段階で走れなくなった平本選手か、途中交代なのにチェイシングをしない町田選手に代えて戸田選手を投入しろと心の中でずっと言い続けていましたが、アルディレス監督が動いたのは後半42分で2点目を取られた後でした。さらに交替選手も右サイドバックの柳沢選手に代えての投入で、戸田選手の右サイドバックなんてはじめて見た。


この時間帯は大宮の猛攻が続き、ゴール前のチャンスで大宮のシュートが上に外れたり、高木選手の好セーブがなければ同点や逆転されてもおかしくないような雰囲気でしたから、アルディレス監督の交代はちょっと遅れたかなという印象です。疲れきっていた平本選手と途中出場の町田選手が全然ピッチから消えているような状態だったので、中盤を大宮に制圧されてしまっており、波状攻撃を受けていましたからね。ただ、智将のオジーですから、私のような凡人には見えない何かが見えていたのでしょうね。


試合はこのまま3−2でヴェルディが逃げ切りました。2連敗中のチーム同士の対決ですが、文字通り両チームのGKの出来が勝敗を分けたような感じです。お見合いをしてしまった大宮の荒谷選手と高木選手。”たられば”は言ってもしょうがないのですが、大宮から見ると3失点目が痛かったことになります。
ヴェルディから見ると投入した町田選手が大当たりだったのですが、失敗でもあったように思います。試合終了近くに大宮陣内で山田卓也選手がサイドからサイドまで必死の走りで相手ボールを追い掛け回しているのに、近くにいる町田選手がジョギングしているのは悲しかった。
攻撃と守備は表裏一体というか、あのまま森本選手を残した方が効果的だったようにも感じますが、サッカーは難しい。
でも、勝ったから良しとしよう。久しぶりにサッカーの試合で心の底から雄たけびをあげましたよ、やっぱりヴェルディが好きだ。


アルディレス監督(東京V)記者会見コメント J's GOAL

Q:守備面はいかがでしたか?
「守備面も高く評価しています。米山は昨日まで試合に出られるかわからない状態だったのに、頑張って今日出場しました。センターバックの2人しかいませんでしたが、試合を通して守備は良かったと思います。最後の15分は相手がダイレクトなプレーにきて大変でしたが…。李康珍も米山もいいプレーをしてくれた。充分にソリットとは言えませんので、修正点はありますが…」

Q:システムについて
「今日のシステムは、フィジカルがいい状態で揃った選手を見るとこちらのほうが機能すると思いました。よりダイレクトなプレーをしようとしたというのもあります。相手が(4バックの)大宮だからというのは関係ありません。自分達の事情だけです」


ちなみに試合前のフレンドリーマッチである大宮別所サッカースポーツ少年団と朝鮮4.6サッカースポーツ少年団の試合は、5−0で大宮別所が勝ちました。大宮別所の小さな11番の選手の突破は魅力的でした。将来の大宮のエースストライカーかな。