ナンバーのモウリーニョ

代表監督のコメントを読んだ後に、ナンバー誌に載っていたモウリーニョ監督の独占インタビューを読むと、監督としてのレベルの違いにぞっとします。

だいたい、戦術というのは試合によって変わるものだし、相手に応じてどんな戦術を採用するか考えることがサッカーの醍醐味なわけだからね。チェルシーの強みは、試合の局面に応じた戦いができるところだ。それぞれの選手が複数のポジションをこなすオールラウンダーであるうえ、判断力にも優れている。
試合前には、選手たちに対戦相手に関して可能な限りの情報を与えるよう心がけている。ときには相手選手のプライベートの情報を与えることもあるくらいだ。あらゆることを分析した上で、ゲームプランを立てることが勝利へのカギとなる。

私は効率を大事にする人間なんだ。たとえば、オフの間に新シーズンに向けた戦略を練った後は、すぐに秒刻みで動かないと気がすまない。戦術に関して思いついたことをメモに書いておき、それをまとめてクラブのスタッフに提出する。そこにはプレスのかけ方、敵陣へのボールの運び方、ボールのキープの仕方、ポジショニングなど、戦術面から心理面までチームに関することは何でも書き込む。そしてそれらを全て念頭に置いた上で、練習に臨むんだ。

私をはじめとするテクニカルスタッフは、選手ごとに出場試合数、最近1年間のケガの有無、試合時間別の成績とプレーの精度、体脂肪のベスト数値などを、すべてデータにまとめている。選手起用はそれらのデータを参考にしながら行っているまでのこと。子供たち(チェルシーの選手)には『全員がチームに欠かせない戦力』であることは繰り返し言っている。しょせん監督というのは、選手の協力がなければ何もできないものなんだ。

私にとっての記者会見は、まさに試合そのものなんだ。そこでの発言は試合の展開にも大きな影響を与えるから、チームにプラスになる発言をする。試合の勝敗は90分間で決るものではなく、監督や選手のプライベートが関係することすらある。


この他にも今回のナンバーはチェルシーバルセロナの戦術についての西部さんの文章など、読み応えがありました。興味を持たれた方は、是非。