話し合いは万能?

本大会出場が決ってから、各種テレビで予選を振り返ったり、選手のインタビューなどがバブル状態ですが、『選手の話し合いがチームを変えた』ことがとても大きなことのように伝えられていますが、本当にそうなのですかね。
3/25のアウェイでのイラン戦から3/30のホームでのバーレーン戦に至る間の選手の監督に対する進言については、どうも話が美化されているように思えます。一歩引いて考えれば監督の無能さをさらけ出している逸話にすら思えてしまいます。勝敗は時の運のようなところはありますから、どんなに名将でも経験豊かな監督でもチームの結果が出ないこともあるでしょう。でも、そのような時にも監督に対する選手の求心力が失われない限りは何とかなると思うのですが、今のジーコ監督のやり方は常に求心力を失う危険と隣り合わせに感じています。


選手が自ら考え話し合いを行う。確かにそれ自体は悪いことではないでしょう。しかし、その話し合いは常にまとまるものなのですかね。選手のサッカー観やポジションや環境で随分違うものだと思うので、すり合わせができない問題も必ずあると思うのですが、そのような問題について方向性を統一するために監督がいるのでしょう。しかし、現状の日本の報道については、一切その辺りには触れていない。現に中村選手の会見でもこのように言われていますね。

コンフェデレーションズカップでは)昨年にイングランドとやったときのように、半分かそれ以上引いて、我慢して人数をかけて守る。アジアカップもそうだった。ヒデさん(中田英)が引き過ぎだと言って、もっと前からプレスをかけてボールを取ろうと言っていたけど……。(強い相手とやる時は)前の3人がプレスに行ってかわされて、あと7人で守るというのではやられるから、少し引く必要があると思う。

これは中田選手と中村選手のどちらが正しいという問題ではなくて、単に考え方やサッカー観の違いですよね。先日のキリンカップ2連敗後の試合のようにチームが危機的状況なら中田選手の言葉に皆が耳を傾けるかもしれませんが、少しうまくいきだせば皆が自分の言うことが正しいと思うわけで、意見がまとまらないことも当然あるはずです。
そうしたらチームは空中分解も有り得ると思います。


本当に話し合いをそんなに美化していて、いいのですかね。