部活の思い出

どうも高校野球で甲子園開幕前と閉幕後に不祥事というものがあって騒がしいようですが、何だか考えちゃいますね。野球で言えば甲子園ですし、他のスポーツや文化部でも全国大会とかの進出を目指している高校もあるとは思いますが、そのような学校は本当は一握りの少数の学校ですよね。野球を考えたら、全国の高校の野球部の半数は地方予選の一回戦で負けてしまうわけですし、さらに半数は二回戦で負けてしまう。全国の野球部の75%は地方予選の二回戦までで姿を消してしまうわけです。もちろんスポーツの場合、やるからには上手くなりたいし、試合をするからには勝ちたいのですが、どうも強くなるとか優勝するという結果にとらわれ過ぎて、本来の部活から一部の学校やマスコミが逸脱しているような印象を受けます。


部活も教育の一環などと言う気はありませんが、あくまで学業の余った時間を使っての活動なはずだし、そこで学ぶべきものはスポーツの楽しさだったり、仲間とのチームワークだったり。強くなるための厳しい指導も必要かもしれませんが、県大会で勝つとか、甲子園で優勝するというのはあくまで後からついてくる結果であって、目的ではないと思うのです。
『不祥事を起こしたので、出場を辞退します。』という記者会見がありますが、野球部員全員が裏口入学だったとか、部室で全員が関与する暴力事件があったというなら話は別ですが、部員の一人とか、指導者の一人とか、個人が起こした問題ならそれは個人として法の裁きを受ければいいことで、連帯責任として部活動に影響を与えるものではないと思っています。もちろんそれを止められなかったまわりにも責任がないとは言いませんが、その事件をきっかけとして、そのような場合に『本当は仲間としてどうすれば良かったのか』とか、『仲間としてこれから何が出来るのか』を話し合えばいいのであって、連帯責任として出場を辞退すれば済むこととは思えないのです。
それとも、連帯責任を課すことがその後の生徒たちの人生に有意義なものを残すのでしょうか。


実際に私は全国大会を目指すような部活にいたわけではなくて、ワイワイガヤガヤ楽しく部活を過ごしました。県大会の思い出よりも夏合宿の思い出だったり、部活の仲間と行った旅行の思い出だったりの方が強く印象に残っています。そんな部活を過ごした私が感じることと、ここで問題になっていることはレベルが違うといわれればそれまでなのですが、大多数の生徒はたぶんワイワイガヤガヤと部活を過ごしているはずなので、高校野球の不祥事に対してはマスコミが騒ぎすぎという印象を持ってしまいます。
グラウンドや体育館等の施設が地域の中で学校施設に集中している現在、まだまだ部活の果たすべき役割は大きいと思うので、学校の名誉とか高野連のメンツとか大人のしがらみではなく、生徒にとってどうするのが一番いいのかで答えを出して欲しいと思います。


駒大苫小牧高暴力事件:「不祥事隠ぺい」、厳しい処分に 毎日新聞
学校側の報告の遅れが問題になるにしても、それは生徒たちの問題ではないわけですから、本当に良く考えて欲しいと思います。