柏 - 東京ヴェルディ 降格決定

helguera2005-11-26

日立柏サッカー場に行って来ました。
負けましたね、完敗です。今日の試合は内容がどうこう言う試合ではありませんが、結果も内容も完敗でした。すべてにおいて柏の方が上回っていました。好守の切り替え、セットプレーからのリスタート、運動量、攻撃してシュートを打つ気持ち、得点。関係ない対戦相手や惜しかった試合で降格が決るのは心残りもありますが、ここまで差を見せ付けられれば納得です。


今日は冷静に試合を語れる心境ではありませんが、柏の攻撃は運動量のある前線がチームの攻撃を活性化し、後ろからのボールを前線の動きが引き出して、縦に突破するスピードが上がっていく。敵ながら見ていて気持ちのいい攻撃でした。前線が左右にワイドに開いて、後ろからのボールを呼び込む。空いた中央には別の選手が走りこんできて、ファーサイドには選手が詰めてくる。ピッチの幅を広く使って、手数の少ない攻撃から決定的チャンスを作り出していました。


対するヴェルディは先ずは前線の足元にボールを入れてそこに起点を作るのですが、そこでボールの動きがスローダウンし攻撃が停滞してしまう。また前線を追い越していく選手もいないため、ボールを回している割にはシュートに結びつかない。前半の27分にコーナーキックから同点に追いつきましたが、そのシュートが1本目のシュートだったのではないでしょうか。
また常に攻撃が中央に固まるので、ペナルティエリアの幅しか攻撃に使わない。時に両サイド(特に左サイド)を使って突破してクロスをあげても、結局は中央のワシントン選手を目がけてあげるので攻撃に意外性や相手を崩す驚きがない。相手の守備が人数的にも精神的にも待ち構えているところに、時間をかけてわざわざ突き進んでいくような、そんな相手を崩せない攻撃ばかりでした。


引分けでも降格が決るヴェルディでしたから、前半の1点差はまだ時間があることもあり精神的にも耐えられましたが、後半開始直後の気持ちが入る前に決められた勝ち越し点で全てが崩れ去ってしまいました。クロスバーに当ったループシュートが真下に落ちて、力なくゴールマウス内にボール2,3個分転がる。まるで映画のスローモーションの場面を見ているかのように、柏の勝ち越し点の場面が目に焼きついています。
そこから希望をつなぐためには2点以上取らなければならなくて、攻め込めば攻め込むほど裏を取られて失点する。後半は7月の試合を見ているようでした。結局は1−5という屈辱の得点差で引導を渡されました。


今日の試合で降格が決定したわけですが、強がりや負け惜しみではなくてあまりショックがないのですよね。試合終了直後には泣いているサポや、「フロント出て来い」と叫んでいる方もいましたが、私は妙に醒めていました。今日の試合で降格は決定してしまったけれど、でもそれは今日に始まったことではなくて7月の6連戦での無残な戦い方からある程度予想できたことです。8月の中断期間をどれだけ有効に使うかと期待していましたが、再開直後にはいい戦いはしたものの、9月以降は1勝もあげることなく降格が決定しました。拮抗した内容で惜しい試合もありましたが、勝ったり負けたりを繰り返していたわけではなくて、引分け以外は負けっぱなしだったわけで、惜しかったとか、これならいけるとか、9月以降は希望を持つことが一瞬もなく一直線にJ1を転げ落ちてしまった印象です。


まったく悔しくないと言えば嘘になりますが、千葉やG大阪のサッカーを見ていると、ヴェルディのように走らないサッカーが勝ってはいけないと思うし、勝てるわけがない。それは選手の気持ちの問題なのか、それともワシントンという絶対的なエースがいるゆえの戦術的縛りなのか。スピードのない攻撃、ボールを追い越さない選手たち、好守の切り替えが圧倒的に遅く、常に数的不利で相手のカウンター攻撃を受ける守備陣、コースを切ることなく打たれたシュートを受けるGK。最後の数試合になって選手たちの戦う気持ちは見えてきましたが、でも降格は1シーズンの結果として受け止めるべきもので、結局はひとつひとつの試合を大事に激しく戦ってこなかった当然の結果だと思っています。


これで長いシーズンも終わりましたが(どこかの世界では優勝争いもしているようですが…)、気持ちを切り替えて来シーズンのJ2で何とか2位以内に入り、1年でのJ1復帰を最大の目標にして戦って欲しいと思います。ヴェルディに残る選手、出て行ってしまう選手、いろいろな選択があるとは思いますが、J2に降格したからといってクラブがなくなるわけでも世界が終わるわけでもない。来年は四国での試合もあるし、遠征しなきゃ。