アルイテハド - サンパウロFC

helguera2005-12-14

国立競技場に行ってきました。
今日の国立はまるでサンパウロのホームのような雰囲気で、日本人よりブラジル人のほうが多いのではないかと思うほどでした。午後6時過ぎにスタジアムに着いたのですが、自分の席に行ってみたら、そこはもうサンパウロ。30入口の後段だったのですが、サンパウロサポーターが大量に集まっている場所のど真ん中でとても入っていける場所ではありません。まあ、全席指定と言ったところで、空いていれば俺の席という文化の国もありますから特に気にせず、違う場所から試合を見ていました。


試合は立ち上がりから完全にサンパウロのペースで、先制点が入るのも時間の問題という開始直後の雰囲気でした。サンパウロの攻撃が鋭いというよりも、サンパウロの中盤の守備のプレッシャーが鋭くてアルイテハドがボールをつなげないような状態でした。そんな前半15分過ぎ、サンパウロの放ったシュートがあっさりとアルイテハドゴールを破ります。ニアサイドを破ったので、「今のはキーパーのミス?」とか思ったのですが、スローを見るとDFの足に当ってコースが変わってしまってGKにはノーチャンスだったのですね。


その後もサンパウロが攻め込みますが、先制点を奪った余裕からか前半の途中からサンパウロのプレスが少し緩くなり、アルイテハドサンパウロのゴール前にボールを運べるようになりました。しかし、シュートやパスの精度がなく、同点は難しいかなと思い始めた前半33分、突然のカウンター攻撃から(席の前をブラジル人が横切ったので、よく見えなかった)中央右サイドを突破したアルイテハドの選手が鋭い腰の回転でシュートをファーサイドに放ち、サンパウロのGKセニがこぼしたところにしっかりとノールが詰めてまさかの同点に追いつきます。


試合開始直後の雰囲気だと、サンパウロが先制してしまったら、そのままワンサイドのゲームになってしまうかも…と思わせるような雰囲気だっただけに、アルイテハドの頑張りには驚きました。ボールをつないで崩すというよりは、高い位置にいるサンパウロのDFの裏に縦にボールを入れて、味方のFWとサンパウロのDFに競争させるという単純な攻撃なのですが、でも意外にこの攻撃が効いているように見えました。ボールをつないで崩すことについてはサンパウロに一日の長がありますが、「結構やるじゃん、アルイテハド」という雰囲気で前半を終了しハーフタイムに入ります。


しかし後半開始直後の2分、サンパウロのパスまわしが炸裂しました。右サイドで細かくボールをつなぎながらペナルティエリアに侵入し低いクロスを入れたのですが、マイナスに戻すかなと思ったら早いボールでGKの前を横切りファーサイドから詰めていたアモローゾが押し込んであっさりと勝ち越してしまいます。ここがチャンスと見ると、白いサンパウロのユニフォームがたくさんゴール前に走りこんでくるのですよね。試合の流れの読み方が上手いと言うのか、共通理解が高いと言うのか。


これでイケイケになったサンパウロはFKのチャンスにGKのセニが蹴りますが惜しくもバーの上を越えていきます。これで見せ場を作ったと思っていたら甘かった、後半の12分にはサンパウロがゲットしたPKを蹴りに上がってきました。またこれを見事に決めました。いや、GKが試合中のPKを蹴る場面って、生ではじめて見たような気がします。この得点でサンパウロが2点差にして、試合を決めたような雰囲気がスタジアムに流れました。


見ていた私も「これで決まりかな」と思ってしまったのですが、アジアを甘く見ていました。ここからアルイテハドが反撃を開始し、後半23分にはセットプレーからアルイテハドが1点を返し、試合はがぜん緊迫するかと思ったのですが…。
しかしサンパウロはそこからの25分間を守りながらもカウンター攻撃を仕掛け、うまく試合を終わらせてしまいました。アルイテハドにもチャンスがなかったわけではありませんが、DFからのつなぎのパスでミスが多く、みすみすボールを相手に渡してしまうなど、今ひとつ勢いに乗れないまま試合終了を迎えてしまいました。


私が座っていた座席の隣のブロックにサンパウロのスタッフか関係者が座っていたのですが、たぶんその中に知り合いがいたのでしょうがトニーニョ・セレーゾ氏が来ていたようで、まわりのブラジル人は大喜び状態でした。ブラジル人のサッカー好きにとっては、セレーゾさんは英雄なのでしょうね、大変な騒ぎでした。
それにしてもTBS、ちょうどこれを書きながらニュース23のスポーツコーナーが流れていたのですが、いくら隣の日本テレビの企画だからって、今日の試合を”サンパウロ”と言うところを全て”フラメンゴ”と言っていたのは嫌がらせなのか、単なるミスなのか。言葉も出ませんね。間違える方が難しいと思うけど。