山崎まさよし 10th Anniversary LIVE

日本武道館に行ってきました。
今日がツアーファイナルなので、ネタバレ有で。山崎まさよしさんのライブは、今年の前半にワンナイトスタンドツアーにも行っているのですが、ステージ上に本人たった一人のワンナイトスタンドツアーと違って今回のアリーナツアーはドラムとベース、そして服部隆之&ストリングスということで20人位のメンバーが加わって、音の厚みのある演奏でした。
ワンナイトスタンドツアーのように1人でギターをかき鳴らすスタイルもいいのですが、今日のようにストリングスが入るのもいいですね。ドラムとベースがリズムを刻むのも迫力があったのですが、でも今回のセットリストの中の曲なら「ツバメ」を山崎さんのピアノとストリングスのメンバーで演奏したバージョンは鳥肌モノでした。


「ツバメ」のイントロが始まった時に、不覚にも涙がこぼれそうになってしまいました。特別な思い出がある曲というわけでもなく、この曲を聴くと誰かを思い出すわけでもない。でも、何だかこの曲がかかるとダメなのですよね。愛とか恋とか誰かが好きだとかを声高に叫ぶのではなく、何気ない日常の風景の中に切ない気持ちを歌っている。こんな詩の内容と曲調にやられてしまいます。
思えば佐野元春さんの歌の中で好きな「サムデイ」も、自分の中ではラブソングではないのかもしれません。”誰かを想う気持ち”を歌っているけれど、それは愛とか恋というよりも、もっと大きなものなのではないかと感じています。「サムデイ」の場合は”信じる心”ですね。
「ツバメ」の場合は、”離れている大切な人を想う心”なのかな。


約2時間の本編が終わり、アンコールかと思いきや4畳半のお茶の間セットに座った山崎さんが登場です。まるでドリフの「8時だよ、全員集合」で使うような建て込みのセットで、山崎さんの売れない頃の部屋という設定らしく、ほのぼのムードで3曲の演奏がありました。”ささきしげお”という名前の人形(さるが笛とシンバルを叩く小さいやつ)も演奏に加わって、コントの1場面を見ているようなコーナーでした。その中の一曲で服部隆之さんが加わっておもちゃの小さなピアノをかき鳴らしてセッションに加わったのですが、おもちゃのピアノがあんなに立派な楽器になるとは思わなかった。


これで終わりはないだろうと思いましたが、最後に1曲またピアノとストリングスだけで「8月のクリスマス」でフィナーレを迎えました。
何と言ったらいいのでしょう、ストリングスが加わることで力強さと繊細さが同時に加わると言ったらいいのでしょうか。山崎まさよしさんの楽曲はソロでの演奏でも心に響く部分はあるのですが、ストリングスが加わると心と体の両方に響いて鳥肌が立ってしまいます。ライブの模様を撮影していたのでDVDでも販売するのでしょうか。このツアーならDVDを買ってもいいな。
こころのところトヨタカップの予想外の連続観戦などで、このライブのチケットを買ったときに思っていたより予定が立て込んでしまって、このライブはパスしようかなと思う気持ちもあったのですが、行って良かった。やはり、生で聴けるチャンスは逃してはいけませんね。