天皇杯決勝 浦和 - 清水

helguera2006-01-01

国立競技場に行ってきました。
浦和サポの皆様、優勝おめでとうございます。でも、本当にマリッチ選手を放出するのですか? 残しておいた方がいいと思うのですが。もったいないです。Jのどこかが獲得しないのでしょうか、ねぇ。


さて、元旦早々から寝坊して、女子の試合は見ることができませんでしたが、国立競技場には試合開始30分前には到着しました。スタジアムの7割を埋めるかというほどの浦和サポの中で、オレンジの清水サポがウォーミングアップの時から大きな声援を送っていて、何故だか安心しました。中立地である国立競技場での開催とはいえ、お隣の埼玉県をホームにする浦和に対し、静岡県からどのくらいのサポが来られるのだろうと心配していましたが、神宮絵画館前の駐車場には静岡ナンバーのバスがたくさん駐車してありましたから、大丈夫だろうと思ってスタジアムに入ったのですが予想以上の力強さでとても安心したのです。


天皇杯のスケジュールが決勝進出チームが決る前にチケットを発売しているので、関東のチームのサポなら早めに買っておくこともある程度可能ですが、国立に遠いクラブのサポにとっては事前に買いにくいチケットになっているのではないかと思っています。準決勝などの試合後に、負けたチームのサポが持っている決勝のチケットを勝ったチームのサポが譲ってもらう光景を良く見ますが、もう少し天皇杯決勝のチケットの売り方に工夫ができないものかと思ってしまいます。


さて試合についてですが、やはり浦和がボールをコントロールして、清水が浦和の隙を狙うような展開で始まりました。しかし、浦和もボールは持てるもののシュートまでいけません。浦和のボールが動くのは横方向とペナルティエリアの外側の縦方向。なかなかペナルティエリアの中まで侵入できない印象です。
対する清水は少ない手数で前線の選手にボールを預け、突破してのシュートを狙うような縦に直線的な狙いが透けて見えます。


『浦和に先制点が入るのかなぁ、それでも清水の攻めも鋭いしなぁ、清水的には先制できるに越したことはないけれど、前半からリードして後半45分を守りきるのもしんどいから、前半は0−0でオッケーかな』などと思い始めた前半40分ごろ、唐突に浦和に得点が入りました。コーナーキックからのこぼれ球を拾った三都主選手が素早いタイミングでクロスを送り込み、それを前のプレーからの流れで前線に残っていた堀之内選手がニアサイドに飛び込みヘディングで叩き込みました。
セットプレーなどでは清水にもチャンスは多数あったのですが、クロスの狙いどころはいつもファーサイドで選手もファーに流れることが多い。
一方の浦和はマリッチ選手などが潰されてもニアサイドを常に狙っていて、後半28分の追加点も得点につながる前の流れるようなパス交換の美しさはあったにせよ、とどめはマリッチ選手がニアに飛び込んできたからだと思うのです。ニアサイドであわせられれば相手のGKが反応しにくいし、ニアであわせられなくても潰れることによってファーサイドでもう一度チャンスができる。浦和の先制点の場面も追加点の場面も、勝負はニアサイドで決りました。


それに対して清水のFWがニアサイドに飛び込んできた場面の印象が、ほとんどありません。チームとしてニアでの勝負を避けたのかもしれませんが、ファーサイド狙いだけでは相手のゴール前を混乱に陥れるのは難しいのではないでしょうか。2点差に突き放された3分後にコーナーキックから途中出場の市川選手が押し込みましたが、これはニアサイドとは言わないけれど、コーナーキックの最初の勝負をゴールの中央付近で競ったためこぼれ球が正面にいる市川選手の前に転がってきました。もう少し早くからニアの勝負を仕掛けていれば…、と思いながら清水の攻撃を見ていました。


試合は2−1のまま浦和が逃げ切り、天皇杯を制覇しました。浦和サポのタイトル獲得にかける思いを考えると、結果的にはこれで良かったのではないかと思います。清水の今シーズンは途中から残留が第一目標となり、その目標を達成した。天皇杯は最初から狙っていたタイトルではないでしょう。浦和にとっても天皇杯というタイトルは最初から狙っていたものではないかもしれませんが、ナビスコを逃し、リーグ優勝も逃してしまった現在、是が非でもとりたいタイトルだったことでしょう。あれだけ熱いサポーターの思いに答えるためにも、1つでもタイトルを獲得しないと格好がつきませんよね。今回の天皇杯のタイトルは、退団が決っているマリッチ選手が残してくれたタイトルと言ってもいいのではないでしょうか。惜しいですよね。


以下は余談になりますが、今日はバックスタンド後段で見ていたのですが、試合途中から1番入口の下のトラックにいた清水のマスコットであるパルちゃんの動きが気になってしょうがありませんでした。ゴール裏の清水サポーターのコールに合わせ、左右の手を合わせて踊っているのです。さすがにリーグ戦のホームゲームではないので派手に踊るわけにはいかないのでしょうが、応援歌に合わせて右手と左手だけで踊っている。清水のシュートが外れると後ろに仰け反るし、パルちゃんのためにも清水には追いついて欲しかったのですが、残念です。