トリノ五輪

スキーヤーで現スノーボーダーなので、当然のごとくオリンピックも見ています。開幕が待ち遠しいとまでは思わないけれど、それでもテレビを見る時間に競技をやっていれば食い入るように見てしまいます。昨夜は男子ダウンヒルと男子ハープパイプ決勝を見てしまいました。


男子ダウンヒルには日本人選手が出ていないので気楽な気持ちで見ていましたが、気持ちの良い金メダルでしたね。スキー競技は滑走順が後になればなるほどコースが荒れてくるので、持ちタイムとかが上位の選手からシードされて早いゼッケン順で滑るわけですが、ほぼノーマークの滑走順位30番目からの金メダルは快感だろうなぁ。泣いても笑っても本番のたった1本勝負で、後ろのほうのスタートからかっとんで滑る選手が現れると面白いな、などと思いながら見ていましたが、本当にそのような展開になるとは、本番の一発勝負の面白さです。
それにしても、あんなコースを滑るだけでも尊敬に値するのに、途中のジャンプでバランスを崩しながら着地でリカバリーするなんて人間技じゃありませんよ。


さてその後は男子ハーフパイプの決勝を見ました。予選で日本選手が全員ダメだったことは知っていたのでこちらの競技も気楽に見たわけですが、こちらの金メダルも快感だったろうなぁ。
予選を勝ち抜いた12人が決勝に進むのですが、決勝は2本滑ります。ただ2本滑りますが2本の合計得点ではなくて、どちらか良いほうの1本がその選手の得点に成ります。1本目でコケたりして得点が延びなくても2本目で起死回生の逆転も充分可能なのです。2本目の滑走順は得点の高い人が最後に滑るパターンです。つまり1本目に高得点を出した選手を2本目の他の選手が1人も抜けなければ、12人目の選手は2本目を滑る前に金メダルが確定するのです。


そしてこの日の競技でも2本目を待たずに金メダルが確定しました。その状態で滑る2本目は得点も採点も関係ないパフォーマンスになります。それまでの競技では得点を取るためにいかに人より多く回るかとか、いかに難しい技を決めるかに勝負がかかるのですが、オリンピックの決勝で金メダルを決めてしまって臨む2本目はそれまでのプレッシャーから開放されて、気持ちよく高く飛んだり、わざと手をついてスプレーを上げてみたり。金メダルを取った1本目の滑りよりも2本目の滑りの方が本来のハーフパイプの楽しさなのではないかと思ってしまいました。
快感だろうなぁ。