フィンランド戦 雑感

フィンランド戦は振り返れば振り返るほど、試合の位置付けが難しいですね。
フィンランド戦後 ジーコ監督会見 スポナビ

選手たちに伝えたのは、ボールをキープしてから、豊富な運動量でスペースを作ることが大切だ、ということ。そのように指示したのだが、前半は焦りもあったのか、なかなかタイミングが合わず、惜しいチャンスを逃してしまった。しかし後半は落ち着きが出てきたのか、ボールも回りだして、FWが前でボールを引き出して、その落としをもらうような動きができ、確実に点が取れるような形ができてきた。2点とも自分たちの想像力、そして周囲の連動した形で(相手を)崩すことができたと思う。

試合そのものは勝つべきチームが勝った試合だと思うのですが、2点とも崩した得点ではないですよね。1点目がスローインからの相手の隙を突いた得点で、2点目は小笠原選手の見事な状況判断による素晴らしいシュート。得点に価値の高い低いはありませんし、どちらも素晴らしい得点だと思いますが崩した得点と言われると少し違うような気がします。得点そのものは素晴らしい。

アメリカ戦では3失点だったわけだが、これは何もDFだけの問題ではなく、トップからの追い込みの問題であり、相手の中盤の底をフリーにし過ぎたことによる球出し。それと相手の中央からのワンツー突破に対して、2人は抑えているんだけれど、3人目の飛び出しに対して誰もマークができていなかった。
(中略)だから最後尾の3人、あるいは4人ではなくて、中盤や前線からいかに追いかけるか、追い込めるかがポイントで、それを確認することで、今日は中盤での狙いを持った守備ができていたと思う。

何だ、分かっているのではないですか。ただ、それをピッチ上でいかに選手たちに機能させることができるかどうかが監督の能力だと思うのですけどね。このフィンランド戦ではフィンランドの攻めに迫力が無さ過ぎて守備が改善されたのかどうか確認するのは難しかったです。


写真はフィンランドの綺麗でコンパクトな4−4−1−1ですが、形だけでは機能しませんでした。『仏作って魂入れろ』ではないですが、組織と個人、理論と感性、冷静さと激しさのバランスをどこでとるかが監督の能力でありチームの完成度の高さなのですかねぇ。