日本 - インド アジアカップ予選

helguera2006-02-22

日産スタジアムに行ってきました。
予選とはいえAFCアジアカップへの出場をかけた公式戦なので、内容よりも結果が求められる試合でした。そういう意味では満点の結果でしたね。力量差を考えて完全に守るインドとの試合については4日前のフィンランド戦が丁度良い有料練習試合になっていますし、宮崎合宿からアメリカ戦、フィンランド戦、そしてインド戦とコンディションをあげてきて本番を迎える素晴らしいスケジュールでした。
対戦相手のインドが体力、気力とも充実していた前半は少してこずりましたが、2点目が入ってインドの集中力が切れてからは何の問題もない試合となりました。また、スタメンの巻、長谷部選手も途中出場の佐藤選手もそれぞれ持ち味も結果も出して、公式戦予選の勝利と新戦力の発掘という2つのミッションを同時にこなした試合となりました。


ここまではアジアカップ予選が一番重要と仮定したらの話です。でも、今年の最大の重要事項はワールドカップであってアジアカップの予選ではないと考えると非常に物足りない試合でした。


相変わらず攻撃で機能しているとは思えない左サイド。右サイドの加地選手はオーバーラップするタイミングはとてもよくなったと思いますが、肝心のクロスのターゲットがニアなのかファーなのかはっきりせず、見ていると何となくゴール前に入れているのではないかと思ってしまうクロスの精度。ただ、インドの息の根を止めた日本の2点目は加地選手が右サイドを突破して中に入ってきたことが得点を決定づけたと思っているので、良い仕事だったと思います。


相変わらず整理されていない中盤の役割分担。試合スタート時は小野、福西選手のダブルボランチで、1列前の小笠原、長谷部選手とボックス型の中盤のイメージだったと思うのですが、相手との力関係からか福西選手のワンボランチで、中盤の前の方が小野、小笠原、長谷部選手で混雑していてうまく素早くボールがまわっていないように見えました。後半途中に小野選手が遠藤選手と交代して、中盤の前の方から人が減ってから長谷部選手が機能してきたように感じます。
小野選手にしろ小笠原選手にしろボールを持ててしまうので、もう少し早め早めに周りの選手を使い、自らも次のパスを受ける位置に動いてくれれば中盤があんなに混雑しないのではないかと思いながら見ていました。


DF陣とFW陣については評価の難しい試合です。
DF陣については守備は評価する場面がありませんでした。しかし、攻撃の第一歩としてのパスの起点としては簡単なパスが通らない場面が多すぎたように思います。インド相手なら大きな失敗に思えないようなパスミスも、本大会で戦う相手には見逃してもらえないでしょう。プレッシャーを掛けられてのパスミスならともかく、ノープレッシャーでのパスミスは悲しすぎます。左サイドの三都主選手がドフリーなのに相手が詰めてきている右サイドの加地選手にパスを出す中沢選手は悲しかった。まわりから声が掛かっているのかどうかは分かりませんが、もしこの試合を本大会の相手がスカウティングしていたらそのノートには『日本のDFはボールまわしに難がある。前からプレスを掛けること。』と書かれているに違いありません。
出る選手が変われば1から連携を作り直すのが基本のチームですが、加地、中沢、宮本、三都主選手のラインは、4バックや3バックの違いはあるにせよDFライン総取替え以降かなり同じピッチに立っているはずで、合わせる時間が無いという言い訳は成り立ちませんよね。


FW陣については、相変わらず簡単なゴールは決めずに難しいゴールを決める久保選手。巻選手の体に当ってのラッキーなゴールは、それまでの時間精力的にボールを受ける為に走り回っていた巻選手に対する妥当なプレゼントだと思います。できれば長谷部選手にも得点という結果をプレゼントしたかったのですが。佐藤選手も結果を出せて良かった。


これで国内組オンリーの活動期間は終了して、海外組の合流する月末のドイツでのボスニア・ヘルツェゴビナ戦ですね。新しいメンバーがピッチに立てばまた1から連携を作り直すのがこのチームの特徴ですから、今までの3試合はフィジカルコンディションの調整試合と割り切れば良いのかも知れません。
が、そのように割り切るには今年は本大会までの準備試合が少なすぎますね。海外組が多くなったという難しい選手事情で臨む初のワールドカップ本大会だけに、そのようなチーム作りを過去に経験している本当のプロ監督にチームを作って欲しかったというのは今さら言っても遅すぎますかね。