日本 - エクアドル

『言葉の暴力』などと言われますが、現代のテレビは『字幕の暴力』ですね。画面に意味のない字を出し続けることに何の意味があるのだろう。ワールドカップ出場国と試合をすることはそんなに重要なことですか。出場国の1.5軍と日本で試合をやるのと出場を逃した国でもアウェイで真剣にやるのでは重さが逆だと思うのですけどね。頭を使え、TBS。


さて試合についてですが、何とも微妙な試合でした。選手登録前の最後の試合と言うエクアドルですが、海外組がいないからなのか、50時間の長時間移動の疲れのせいなのか、それとも平地ではあんなものなのか、とにかく前に人数を掛けて攻めてきませんね。あれでは例え4バックでこの試合に臨んだとしても果たして有効な守備の確認が出来たかどうかは疑問です。エクアドルの攻撃は、攻撃の組み立て段階では長いパスを放り込んでくるものの、日本のゴールに近くなるにつれ短いパスをつないでくるけれどブラジルやメキシコほどの脅威もない、日本にとっては守りやすい攻撃スタイルだったのではないでしょうか。仮想ブラジルとか言っている向きもありましたが、それには少し荷が重い。


日本の攻撃は三都主選手がキレてましたね。今シーズンは残念ながら浦和の試合を見ることができていないのですが、好調だという噂は本当だったようです。特に今日のエクアドルのように前に攻撃の人数を掛けてこないで、サイドを執拗に突かない相手なら三都主選手の攻撃力が生きるとは思うのですが、本番ではどうなのでしょう。また、今日の日本が3バックだったことも、三都主選手の気持ちが思い切って攻撃にいけるという要因につながっていたのだろうと思います。
加地選手については前半は守備の人でしたね。相手の選手をマークする気持ちと上がっていく左とバランスを取る気持ちで抑え目だったのでしょうね。後半は吹っ切れた攻撃を見せてくれました。


小笠原、小野、福西選手で組む中盤中央は今日のようにスペースがあってプレスも強くない相手だと面白いです。特に小野選手の長い距離のフリーランニングは見事でした。他の選手があまり長い距離を走らないこともあるかもしれませんが、小野選手の運動量をもっとうまく生かせないものか。コンディションはまだまだなのだと思いますが、今度の大会こそ体調万全で本大会を迎えて欲しい選手ですね。


FWについては、どうなのでしょう。今現在のジーコ監督の一押しだと思われる久保、玉田選手の2トップでしたが、私にはお世辞にも久保選手が良いようには思えなかった。玉田選手は前に行く力強さやキレを感じましたが、結局結果を残したのは交代で投入された佐藤選手でした。次の代表の強化試合は選手登録の直前または直後になると思うのですが、佐藤選手の今日のゴールは監督の中の序列を変えるに値するゴールとなったのでしょうか。その時のリーグ戦での調子よりも過去の代表への貢献などの実績を重視する監督だけに、30番台の背番号の選手たちには厳しい状況です。


そんな厳しさの中ですが、得点になる前の佐藤選手の三都主選手に対するクロスの要求で『もっと前だよ、前にくれよ』と強烈にアピールしていたところが今日の一番の見所だったように感じます。ここ最近の日本人のFWであそこまでパスの出し手に強烈にアピールしている代表選手を久しぶりに見たような気がします。その強烈な主張が得点場面の三都主選手のドンピシャのクロスを引き出しているのでしょうね。「クロスに合わせる」のではなく、「クロスを合わせる」タイプのFWは必要だと思います。こういう選手を本大会に連れて行って欲しいです。


とにかく、まあ勝った。勝ったことは良かったです。でも、勝ったこと以外に、何が次につながるのだろうかとも考えてしまいます。