スポーツマンシップにのっとり

ジェレミーさんのこちらの文章を読んで感じたこと。
ベンゲルの考え違い  FC.JAPAN
ベンゲルさんと日本代表監督就任の話ではなく、後半の「選手が倒れている時に、プレーを続けるべきかどうか」の部分についてです。まずはじめに、頭と頭がぶつかり合うような重篤な場合は審判がプレーを止めると仮定して、審判が認識しながら流している場合についての話です。


1. まずはマイボールの時に味方の選手が倒れていたら、止める?
例えばマイボールといってもGKが保持していたり、DFラインでボールをまわしていたり、中盤の選手が横や後ろにパスを戻しているときならタッチラインに蹴りだすことが多いのでしょうね。倒れている選手を放置するよりも、治療をして復帰させたほうが味方に有利になるから。しかし、同じマイボールでも、味方の攻撃がスピードアップしていて明らかにゴール前のチャンスにつながりそうな時には、果たして味方選手が倒れていてもボールを蹴りだしてプレーを止めるチームは多いのでしょうか。まったくないとは言いませんが、味方の選手が倒れているとしてもそのまま自分達の攻撃を続け、攻めきってシュートかクロスで終わってから治療に入るような気がします。


2. 次にマイボールの時に相手の選手が倒れていたとしたら、止める?
これは倒れている場所によるのではないかと思います。もし、相手ゴール前に相手の選手が倒れていた時に、攻撃を続けるか。確かにルール上はとがめられることではないけれど、それでも倒れている選手の横に攻撃の選手がポツンと立っていて、「ここはオフサイドではないから、早くボールをよこせ!」とアピールしている姿はスポーツマンシップにのっとっているとは思いがたいですね。*1
でも、倒れている選手がボールより横か後方で、次の攻撃の流れにまったく関係ない場所だったら、ボールを保持しているチームが攻撃を続けたとしても責めることはできないような気がします。これを「フェアじゃない」と避難するならば、1.で書いたときの、自分達の絶好のチャンスだったとしてもボールを切らなきゃいけない。*2


結局のところ、プレーを続けるかどうかは任意であって、プレーを続けたからと言って非難するのは難しいと思います。明らかにゴール前とかで倒れていて次のプレーエリアになりそうなのに続ければフェアではないと思うけれど、サッカーは完全にフェアなスポーツというわけでもないし。スポーツマンシップにのっとりフェアな判断をした人は賞賛に値するけれど、しなかった人が非難されるというほどでもない、というのが私の感想かな。プレーを続けて、ましてや得点まで取ってしまったら、非常に印象は悪いけれど。もちろん、スタジアムにいて応援するチームの選手が倒れているのに相手のチームがプレーを続けていたら、即座にブーイングしますけどね。

*1:確か大昔、ヴェルディの武田がそんなアピールをしていた記憶がある。

*2:誰だったか、ゴール前に入ってきたクロスを手で受け止めてプレーを切った選手がいましたよね。