大宮 - 広島

helguera2006-05-03

駒場スタジアムに行ってきました。
憲法記念日の祝日の今日、空は抜けるような青空で日差しは温かく、風は少し冷たいものの絶好のサッカー日和でした。スタジアムのフラッグ用ポールには両クラブのフラッグと共に2日早い鯉のぼりが気持ち良さそうに泳いでいました。今日はバックスタンドの2階大宮ゴール側で見ていたのですが、今年は駒場のいろんな場所で試合を見ていますがバックの2階は駒場スタジアムで一番見やすい席かもしれませんね。


試合は今シーズン1勝もしていない広島が、監督が変わってどのようなサッカーをしてくるのか非常に興味があったのですが、実際のピッチ上に展開された広島のサッカーは想像の上をいっていました。基本フォーメーションは3−5−2だと思うのですが、こんな感じで守っているのですよね。

___●_●___
●_______●
__●_●_●__
___ GK ___

とにかく、この7人が守る、守る。前半は日本代表の駒野選手がバックスタンド側でプレーをするはずだったので、めったに生で見ることがないので非常に楽しみにしていたのです。しかし、自陣に引きこもってしまって大宮側に中々入ってこない。前半で大宮陣内に入ってきたのは何回だったのでしょうか。時には5バックのようにばっちり引いて、まずは失点をしないことを最大の目的として試合に入ってきたかのようでした。
注目の駒野選手も、自陣からのアーリークロスを何本か前線に飛ばすのですが、前線の選手の動きとなかなかかみ合わず、得点の気配とは程遠いクロスばかりでした。


その他の広島の攻め手は、前線の佐藤寿選手を走らせていました。引きこもる広島に対し、速攻が効かない大宮はサイドバックの波戸選手や土屋選手も上がっていくので、その裏を佐藤寿選手が狙う。大宮の守備で残っているのは決して足が速いとは言えないトニーニョ選手と冨田選手なので、左右に流れる佐藤寿選手をかろうじて自由にはさせないものの、押さえ込んでいるとは言えない状況で何か1つ大宮の守備にミスが出ればいつでも裏を取ってやるぜと虎視眈々とチャンスをうかがっていました。


基本的には大宮がボールを保持して広島を押し込んでいましたが決定的な形は作れず、試合が膠着状態に陥ったかと思った前半40分過ぎ、前掛かりになっていた大宮に対し広島のチャンスが生まれそうになったとき、それまでアーリークロスを入れていた駒野選手がゴールライン近くまで抉ってクロスを入れ、中央で待っていた佐藤寿選手が小さい体を伸ばしきってヘディングで合わせ広島が先制します。アーリークロスには中々タイミングを合わせられなかった広島の前線でしたが、サイドを深く抉ったクロスにはバッチリタイミングが合いました。


一方の大宮はグラウ選手を1トップにした4−1−4−1というフォーメーションでした。

______グラウ_____

藤本_小林大__小林慶_久永

______片岡______

土屋_富田_トニーニョ_波戸


(中盤の左右の並びとかは大雑把)

しかし、試合が始まって広島ががっちりと守備を固めてしまう展開が見えてきたときに真っ先に思ったのは、「策士の三浦監督が策に溺れた」という感想でした。ゴール前を固める広島に対し、前線で動き回るのがグラウ選手だけではとにかく分が悪いし広島の守備を崩せません。広島がゴール前を固めるので広島の守備ブロックの外側では自由にボールを回せる大宮でしたが、サイドが突破できるわけでもないし、小林大や藤本選手がゴール前に飛び込むわけでもない。ゴール前に何本もクロスを入れてもターゲットがグラウ選手だけでは得点の気配すら生まれません。前半で広島に先制されてしまったので、ハーフタイムで片岡選手を下げて森田選手を入れて2トップにするしかないと思っていました。


しかし、後半開始では交代が無く、前半と同じ形で大宮はスタートします。三浦監督は好きな監督なのですが、時々「攻撃性が足りないかな」と思うことがあります。今日の交代もそれに近いものを感じました。同点ならともかく、現在は調子が悪いとは言え守りを固める広島に先制されたのだからもっと積極的に攻撃的にいって欲しかった。
結局、後半も攻め切れないままの12分、片岡選手に代えて森田選手を投入します。さらに20分過ぎには久永選手に代えて桜井選手を投入し、ようやくバランスを崩してでもリスクを賭けて攻めに出ました。しかし、同点で引分け狙いならともかく、勝ちにいくのなら交代が遅いと感じました。


ここからはまるで後半ロスタイムのような猛攻を大宮が仕掛けますが、得点にはつながりません。特にオフサイドで取り消されてしまった得点が惜しかったですね。この場面では広島の選手が1人転倒していて、その選手が最後尾だったのでオフサイドの判定は間違いだったと思うのですが、審判は絶対ですから残念です。また、森田選手の惜しいヘディングシュートや土屋選手のボレーシュートなどもありましたが、結局は守りを固めた広島に逃げ切られました。
大宮も最後はトニーニョ選手まで上げて猛攻を続けたのですが、広島は6−2−2で守ってましたね。

___●__●___
●_●_●●_●_●
____GK____

6人がラインを作って守っているのを目の前で見ていたのですが、壮観な眺めでした。


その他、いくつか感じたことです。
大宮は、大宮相手に守りを固めてくる相手と戦うという経験がないですよね。J2時代はあったかもしれませんが、J1で戦う中では想定していなかった事態で、どう攻撃していいのか戸惑っているようでした。昨年昇格したJ1では自分たちよりも強い相手か少なくとも同格の相手と戦う前提で、守りを固めてワンチャンスを生かす攻撃を続けてきたと思うのですが、補強を重ねそこそこ攻撃が出来るようになった時に、大宮を相手に守備を固める相手を崩すという昇格→残留という最低限の目標だった昨年とは違う壁にぶつかっているように感じました。


広島は、戸田選手が懐かしかった。相変わらず守備で睨みを効かせていますね。それと浦和、大宮時代にFWとして頑張っていた盛田剛平選手が3バックの一角にいるのは違和感があったなぁ。ラインを作って上げ下げを繰り返していたり、首を振りながら相手を確認しているのが印象的でした。