日本 - スコットランド

helguera2006-05-13

埼玉スタジアムに行ってきました。
寒かったです。5月とは思えない寒さで驚きました。試合開始から終了まで降り続く細かい雨がホーム側からアウェイ側に吹き抜ける風にのって屋根の下にまで吹き付けてきます。気温の低さと風と雨で本当に寒かったです。
今日はスタジアム到着が開始1時間くらい前になってしまったのですが、何だか大掛かりなショーが終わったところでした。国歌独唱郷ひろみさんを持ってくるなど、日本サッカー協会も今ひとつ盛り上がらないワールドカップ直前の雰囲気を盛り上げるのに必死なようですが、いくら試合に関係ないところで小細工をしても、肝心の試合内容が盛り上がらなければ何の意味もないと思ってしまいます。


試合はスコットランドのサッカーが面白かったので退屈しませんでした。スコットランドブルガリア戦もテレビで見たのですが、今日のスコットランドは前半はそこそこ勝ちに来て、後半は引分けでもキリンカップ優勝という戦略できっちり考えて戦っていましたね。もちろん日本が前の試合から中3日での試合に対し、スコットランドは中1日の試合ですから、当然の戦い方でもあるのですが。
また前半のスコットランドのフォーメーションが面白かったです。守る時は5−4−1で、攻めるときは3−4−3のようになる。

(守備時)
____●____

_△_●_●_△_

○_●_●_●_○


(攻撃時)
__△_●_△__

_○_●_●_○_

__●_●_●__

この押上げがスムーズで早いのです。また攻撃から守備に切り替わる時も戻りが早く、日本が手数をかけて横パスをつないでいる間に素早く戻り日本が使うべきスペースを消してしまいます。守備に切り替わった瞬間に1トップを除いた9人が2列のラインを作ってスペースを消している。日本の攻撃が一瞬のカウンターのチャンスを逃した瞬間に、このスコットランドの守備ブロックの外側でボールを回すしかなくなってしまう。強引にクロスを入れても高さで跳ねかえされてしまう。何度か中央を短いパスで突破しましたが、スコットランドの2列のラインも適度な距離を開けて1列に吸収されることのないように守っているので、こじ開けるのは非常に難しそうでした。何度か惜しいチャンスを作ったものの、最後はスコットランドの体を張ったディフェンスに防ぎきられてしまいました。


ただ、スコットランドのチームは良かったものの、前半の日本の2トップは寂しかった。相変わらず枠に飛ばない玉田選手と体調不良なのか動きにキレが感じられない久保選手。玉田選手はまだしも久保選手はハーフタイムで巻選手と交代だろうと思っていたのですが、実際には後半15分過ぎまで引っ張りました。1回だけ久保選手の見せ場もあったのですけど、ねぇ。
怪我で交代してしまった中沢選手や動きにキレが感じられなかった久保選手など、本大会までの時間が1ヶ月を切った現在、コンディションの問題が非常に気になるようになってきました。本番は1ヶ月先なのですが例えばFWについて、久保選手や柳沢選手など、コンディションに不安のある選手を同じポジションに2人も抱えていて大丈夫なのか。イングランドルーニー選手ではないですが、1人なら復帰を信じて入れておいてもいいと思うのですが、不安がある選手を同じポジションに2人抱えるのはきつそうです。


MFとDFはいつものジーコ日本代表でしたね。今日の試合は国内最終戦ということで、ジーコ監督就任以来の3年半の総決算になる試合でしたが、目に見えた伸び代が感じられなかったこの代表チームの3年半の中で、唯一のサプライズというか発見が右サイドの加地選手でしょうか。今日は突破してのクロスの供給ではそれほど目立ちませんでしたが、中に切れ込んで左足から放ったシュートは強烈でした。不運にもポストに弾かれてしまいましたが、前回2002年大会の稲本選手のように本大会でのラッキーボーイ的存在になるのは加地選手かな、などと考えてしまいました。
代表での実績や貢献度を優先して選手を選出する今のスタイルでは、勢いを持った選手が選ばれることは難しいですしね。今なら巻選手の勢いに賭けたい気もしますが、実績も貢献度もありませんからねえ。


海外組が合流しないと本当の強度は分からないとは思うのですが、それでも3年半の集大成がこの試合なのですね。海外組が合流してからの国内合宿で作られるチームは3年半の活動期間の集大成のチームというよりは、3週間の即席チームなのではないかと考えてしまいます。それがジーコ監督のやり方だと言ってしまえばそれまでですが、今の日本代表の姿は川淵会長が監督を選ぶ際に想像した通りの着地点に達しているのでしょうか。そうだったら、いいのですけど。