勘違い?

記事中の会話の一部分を切り取った言葉だから、真意が定かではないのですがそれでも文字通りのコメントとして発しているとすれば勘違いも甚だしい。
監督気遣い練習場で激励 笑顔に安心の川淵会長 スポナビ

練習前にジーコ監督と言葉を交わした川淵会長は「会ったら厳しい表情で、ごめんなさいって言うんだよ。一番残念なのはジーコなんだ」と、厳しい立場に置かれた指揮官の心情を思いやった。

結果を出さなければいけないプロ監督を雇った雇い主として、監督の能力を最大限発揮させるための行動としては分からなくもない。
でも、一番悔しくて残念に思っているのは、遠くドイツまで渡ってスタジアムで応援したサポーターや、日本のテレビの前で応援したサポーター、そして普段はサッカーに関心が低いけどそれでも日本を代表するチームを応援してくれた国民じゃないの?


個人としてジーコさんを信頼し励ますのは美しい。でも、公の立場として日本サッカー協会の責任者としては、人間的なつながりの部分と冷静な管理者(経営者か)の部分を持っていなければいけないと思います。歴代の日本代表の中でいなかったほどの国際経験豊富な選手達を擁して、実際に繰り広げられたのはあのサッカー。J1の中位レベルかJ2の上位レベルかと考えてしまうようなあのサッカー。川淵氏は昨夜の韓国のサッカーは見たのだろうか。昨夜のブラジル対クロアチアの試合は見たのだろうか。井の中の蛙ではなく、世界の中の日本サッカーを考えて協会の責任者として行動しているのだろうか。今、国内で普段サッカーを見ないような人々から『日本弱すぎ』と言われていることを知らないのだろうか。


試合が始まれば日本代表を応援するし、誰が会長でも誰が監督でも日本代表には勝って欲しい。例え試合内容がどんなヘタレな内容だったとしても、善戦して負けるよりは勝利という結果が欲しい。それはサポも協会スタッフも同じでしょう。
でも、試合を離れた時には、協会スタッフにはサポーター以上に世界の中の自国を俯瞰して見られるような客観的な視線が必要になるのではないか。ジーコさんを信頼し応援するだけなら、後援会の会長でもやればいい。信頼し応援すると同時に、常に冷静に検討や分析をし時には大きな決意を持って対処することも必要になるのではないか。
今さら大会中に何かができるとは思いませんが、少なくとも大会後の総括は自らの決定の結果に対して逃げないで欲しいと思います。




全ては『次のクロアチア戦に勝てばいい』のですが、昨夜のブラジルとの試合を見たら非常に厳しく思えてきました。オーストラリア相手にあの試合をしてしまったチームが、何をどうやって立て直せば昨夜のクロアチアに勝てるのか。もちろん勝負はやってみなければ分からないのですが、それでも事前の準備として何をどう変えればオーストラリアに敗れたチームがクロアチアに勝てるのか。ヒディンク監督のように、『目的を達成するために計画を立て、実行する』というプロセスで考えた場合、今のメンバーでどのような計画が立てられるのか思い浮かびません。テレビでは「気持ちを切り替えて次は勝てます」とか言っている人も見かけますが、”勝って欲しい”という願望とは別に”勝てる”と思う根拠が分からなかったりします。「コンフェデのギリシャ戦の時と同じように…」というには、当時のギリシャと現在のクロアチアが同等の力だという分析があってのこととは思えないし。
クロアチア戦、勝って欲しい気持ちで一杯ですが、厳しい戦いになるのでしょうね。