新しい日本代表像

きちんとした前の代表の総括や反省もなしに済し崩しに次の代表に移行していくのは抵抗を感じるのですが、それでも話題は次から次へと出てきますね。
川淵キャプテン、オシム監督に代表強化日程を“全権委任” サンスポ

川淵キャプテンによるとオシム監督はその中で、就任初戦となる来月9日のトリニダードトバゴ戦(国立)について「もう少し早く監督になっていたらトリニダードトバゴ戦はOKしなかった」などと激白。代表招集後の練習が短期間しかできないまま、ドイツW杯にも出場した強豪国と対戦することが最善の強化策ではないとし、「今の段階では合宿をした方がいい」との本心を明かした。

オシム監督は自分の意見を持たずに協会の言うことをおとなしく聞くタイプの監督ではないと思っていましたが、やはりそのようなニュアンスが出始めましたね。強化のために最善と思うことは、実現するしないに関わらず本音で語って欲しいのですが、実際にそれが実現するかどうかでスポンサーの意向と強化の方針が対立した時に、協会がきちんと強化を選択できるのか、そこが不安です。
例えば、もし今回の8月9日の親善試合を監督が断った時に、真夏の暑い時期というのはサッカーには向かない時期ですがビール消費が大量に見込まれる時期ではあるわけで、「キリンチャレンジ」という冠大会の試合が一つ減ることになります。協会はそれをスポンサーに説得できるのか。そんな不安がよぎります。


またこれは安心できる点ですが、「試合をするのは選手なのだから、あくまでも選手の自由に…」とか、「試合や紅白戦で強化をする」というスタイルではなく、「今の段階では合宿をした方がいい」という考え方が伺えてホッとします。もちろんチームの骨格が決まってくれば試合を重ねる方が強化に直結する時期も出てくるとは思いますが、やはりチームの背骨になるような共通理解(=組織でありオートマティズム)は必要だと思うからです。ようやく、まともな代表チームが帰ってきた、かな。


こちらは報知の記事ですが、親善試合についての情報とオシムさんによる協会教育が始まったことを感じさせる記事です。
オシム監督、川淵キャプテンに注文…親善試合の削減&言葉選び慎重に 報知

日本協会ではオフィシャルスポンサーのキリンと、来年度以降の契約更新交渉の最中で、協賛金増額に伴い年間4試合行っているキリンチャレンジ杯の増加を検討していたが、難しくなりそうだ。
また川淵キャプテンは、オシム監督に「W杯でオーストラリアに負けた時『ショック』という言葉を会長が使うべきではない」とたしなめられたことを明かした。

親善試合の増加についてですが、お金と代表強化のどちらをとるのか。代表強化ではなく”サッカーを大事にすること”かもしれませんが、早速協会がオシムさんの繰り出す踏み絵を踏まされているような気がします。


また、会長をはじめとする協会に対し、”教育者”としてのオシムさんの本領発揮かな。実は今回の監督就任は、協会の一部にとってはトルシエさん以上の爆弾を抱えてしまったのではないかと思います。トルシエさんはある意味分かりやすい正直な人ですから、粗探しをするならいくらでもネタがあった。しかし、オシムさんはそんなに簡単に尻尾はつかませてくれないでしょう。ましてや就任時のゴタゴタをオシムさんに救ってもらった大きな借りがある。前監督の失敗から目をそらす意味でも、千葉からの強奪を薄い印象にするためにも、オシムさんのカリスマ性のようなものは非常に協会の役に立っている。オシムさんはそれらをすべて飲み込んだ上で、小出しに協会に対し要求を飲ませていく。トルシエさんはいきなり大きな爆弾を爆発させて、相手の受け入れる余地すらふっ飛ばしていましたが(笑)、オシムさんは真綿で締め付けるように協会に要求を飲み込ませていくような気がします。


一方で気になるこのニュース。
中沢代表引退へ 現役は続行 スポニチ

関係者によれば、中沢は昨年からW杯後の代表引退を決意していた。昨年は横浜でリーグ戦、アジアチャンピオンズリーグナビスコ杯、日本代表でW杯予選や親善試合に出場し続け、1年間で計48試合を消化。W杯前から冗談ながら「2010年は無理」「体が持たない」など引退をにおわせる発言を繰り返していた。実際、両足首、両ひざの痛みなど満身創痍(い)の状態で「つらかった」とこぼした。

中田選手の現役引退でもそうですが、本当のところは本人にしか分からないので、失ってしまったモチベーションを外部から取り戻させるのは非常に難しいですね。ただ、少し時間が経てばまた考え方も変わるかもしれませんから現役を辞めるわけではないので気長に見守るしかないのかもしれませんね。


そして五輪代表。
U−21日本代表候補トレーニングキャンプ メンバー発表 反町監督会見 スポナビ
世代別日本代表に対する接し方は様々なものがあると思いますが、ヴェルディの選手が入ってない場合、私は何となく見始めます。そのなんとなく見始めた試合の中で光る選手や好みの選手がいた場合、初めて気持ちが入ってくるというか、本気になってくる、そんな感じかな。まあ、オリンピック予選やオリンピック本戦やワールドユースになれば、本気も何もなく全力で応援してますけどね(笑)。


それにしても反町監督の会見から受ける印象は、前五輪代表監督よりも緊張感が漂うような印象を受けます。チームの雰囲気もピリッとしたものになるのでしょうか。

選考基準は、(中略)やはり世界と戦える選手、もう少し深く言うとパーソナリティーの部分です。まず、パーソナリティーの部分、それからテクニカルな部分、タクティカル(戦術的)な部分、フィジカルな部分、メンタルな部分、そうしたものをすべてを見た上です。

これもやはり楽しみな選考方法です。結果も大事ですが、まずその前に試合で戦えるチームを作って欲しい。これからのフル代表も楽しみですが、U21代表も楽しみです。