メンバー発表オシム会見
面白すぎる(笑)。
まずは13人という選んだ選手の数で協会に喧嘩を吹っかけ、次に当たり前に出てくる質問をきっかけにしてメディアに喧嘩を吹っかけている。記者も今までのようにありふれた質問をすると手痛いしっぺ返しが来るから、勉強して考えてポイントを絞る必要に迫られそうですね。
この人は協会とメディアを教育しようとしているように感じます。
トリニダード・トバゴ戦メンバー発表 オシム監督会見 スポナビ
私は(今の日本代表を)車に例えて全員で押さなければならないと強調したわけだが、さまざまな方向で押すのではなくて、ひとつの方向にみんなの力で押すのだ
まずはメディアに先制パンチ。勝手に翻訳すると『テメエら勝手なこと書くんじゃねーぞ』ということでしょうか。
続いて、少し締まった雰囲気を和ませる。
13人でも試合はできる。なぜ、この13人を信用できないのか。13人とも90分間走れる選手だと思う。というのは冗談だ(会場、笑)。
そこから、協会に向けてジャブを放つ。
日本の代表監督をするにあたり、代表の強化日程に影響を与えることはできない。また、各クラブの活動についても、A3のように平行して行われている大会についても同様だ。しかしながら各クラブの日程(鹿島の上海遠征など)、そして代表とA3の日程が重なってしまうという事態になってしまった。大会、代表、遠征と、多くのチームの事情が複雑に絡み合ってしまっている。
(中略)
代表チームと(他の日程が)バッティングしてしまったので、こういうことになってしまった。今後は、こういうことがないように願いたいものだ。
またまた勝手に翻訳すると、『商売優先で代表日程を組むんじゃねーよ』といったところでしょうか。
さらにメディアにジャブ。
――キャプテンは誰ですか
オシム 全員がそろった段階で決める。あまり大事なことだとは思っていない。
これも勝手に翻訳すると、『キャプテンとか祭り上げて、スターシステム発動させるんじゃねーよ』かな。
またメディアを教育しているかな。
――オシム監督に質問ですが、今回はフレッシュなメンバーが多いですが、オシムさんが最初の会見でおっしゃった「日本らしいサッカー」「日本の良さを生かしたサッカー」というのは、具体的にどういうサッカーをやりたいとお考えなのでしょうか
オシム 質問の意味がよく分からない。何を聞きたいのですか?
私が、前回の会見で話したことを実現するために必要な選手を選んだ。何を具体的に知りたいのか教えてくれませんか? どういう選手を選ぶか、どういう試合をするか、というところで答えを出すつもりだ。ただ前回の会見で述べた方針に対する、自分なりの回答というのが、このメンバーだ。
『何でもかんでも答えを求めるのではなくて、メンバーを見て試合を見て自分で考えろ』かな。
まさか…
この13人は、一緒にディナーをするために呼んだのではなく、試合をするために呼んだ。練習試合は非常に大きな意味がある。サッカーはお互いに知り合いになることも大変大事なことだ。サッカーは11個のピースを組み立てて、出来上がりというものではない。
これは協会会長と前監督に対する強烈なカウンターパンチじゃないよね。
この辺りもメディアに対する教育か。少なくとも、メディアに対しても「考えて喋れ」と言外に要求してそう。
――選んだ選手の具体的にどこをいいと思ったのでしょうか
オシム ここで選手の分析をしろとおっしゃるんですか?
――冒頭で、90分間走れる選手たちだとおっしゃった後に、「それは冗談だ」とおっしゃったので、どこに基準を置いて選ばれたのかをお聞きしたいのです
オシム 話をすることはできるが、非常に長くなる。第一の基準は全員が日本人であることだ(笑)。これはもう、絶対的な条件だ。それだけだ。
――全体的に経験のない選手が多いですが、そういう選手を集めたのでしょうか
オシム 若い選手だけでもないし、そんなに若過ぎる選手はいない。サッカー選手として普通の年齢だ。
経験で言えば、誰でも最初は経験がない。経験がないからといって招集しないのであれば、いつまでたっても経験は得られない。経験というのは、試合をする中で得られるもの。試合に出なければ、経験は得られない。
最後に再びメディアに対する根拠のない楽観論の戒めですね。失望とは根拠のない楽観があるから生れるものだ、と繰り返し教えてる。
トリニダード・トバゴは(W杯で)イングランド、スウェーデン、パラグアイの3カ国を相手に非常に良い試合をした。ひょっとすると、日本が入っていたグループよりも、強いグループだったと思う。それを戦った選手が来るわけだから、簡単な内容、簡単に勝てる試合になるとは思っていない。
もしトリニダード・トバゴを相手に、日本が簡単に勝てるという雰囲気ができているなら、それは取り消していただきたい。
(中略)
日本が勝つのは確実で、どう勝つのが問題だと考えている方がいるなら、それは違う。接戦になると思うが、もし日本が1−0なり最小得点差で勝った場合、それは偶然だったということになるが、勝つのが当然という雰囲気があったならば、誰も満足しないだろう。2−0で勝って当然という雰囲気があるならそれは違う。
そして、最後に再び座を和ます。
もし、私に(マッチメークの)権限が与えられていたならば、トリニダード・トバゴを相手には選ばなかった。強い相手とやるということであれば、もう1回ブラジルとやる。
皆さん、本気にしました?(笑)
何だろう、会見そのものが授業であり試合であり語録である。苦し紛れの監督選びとはいえ、日本は素晴らしい教師を代表監督に迎えましたね。
会見が面白いなんて、何て素敵。でも、記者はたまらんだろうなぁ、だって、今までの4年間ほとんど勉強しないでサボってきただろうから(毒)。