大宮 - 福岡

helguera2006-08-30

駒場スタジアムに行ってきました。
日中は少し雨が降って夕方には上がり、涼しいけれど湿度が高く、少し動けば汗が出る、そんな陽気だったのは確かですが…。


いや、何と言ったら良いか、言葉に詰まる試合でした。ストレートに言ってしまえば、J1のリーグ戦でここまでひどい試合を久しぶりに見たような気がします。特に前半の45分間は選手も走らなければボールも動かない、意思疎通を欠いて選手の動きとは逆に出たパスでタッチラインゴールラインを割ったボールがどれくらいあったでしょう。ボールがスムーズに動くとか言う前に、とにかくパスがつながらずに相手にボールを渡してしまう。お互いに特別に守備が厳しくプレスがきついわけでもないのに、それでもパスが通らない。サッカーの試合でこれほどまでにイージーミスでパスが通らない試合を久しぶりに見たような気がします。


そんな停滞した試合の中で、自ら走ってポジションを離れボールを貰う動きを見せていたのは大宮の吉原選手と福岡のホベルト選手ぐらい。それ以外の選手はきっちりと自分のポジションを守り、マイボールになっても根が生えたように自分のポジションを離れないような印象でした。大宮も福岡も前節までの試合の中で守備が崩壊し、「集中して守備して来い」とはっぱをかけられていることは確かでしょうが、それでもパスの出し手と受け手の動きが合わないし、ボールに近い選手が多少の受ける動きをするものの、少しでも離れた位置にいる選手は傍観者として見ているだけ。自分の方にこぼれてきた時だけ慌てて対応する、そんな場面の連続でした。何と言えば良いのでしょう、次のプレーを予測していない感じでしょうか。


試合については最後の5分間だけを語ればいいんじゃないか、そんな試合でした。
開始直後の前半3分に福岡が大宮守備陣の甘いマークの隙を突いて見事なミドルシュートで先制しますが、大宮も後半12分にコーナーキックからのワンチャンスで同点に。そこからはさすがに順位通り大宮が少しペースを握りますが、いかんせんグラウ選手との契約満了以降の攻撃陣のタレント不足は埋めようがなく、セットプレー以外では得点の気配が感じられません。そのセットプレーでさえ、例えばコーナーキックは90分を通じて両チームとも2本だけですから、いかにお互いのゴール前の攻防の乏しい試合だったことか。


しかしそんな試合も後半38分に久永選手と交代で入った大宮の橋本早十選手が試合を動かします。投入直後のフリーキックでもその左足で蹴ることを許されていたので信頼されている選手なのだなとは感じましたが、その直後に左サイドを駆け上がった橋本選手からニアサイドに綺麗なカーブのかかったクロスが入り、それをニアサイドに飛び込んできた森田選手が決めて大宮の勝ち越し。この時点でロスタイムの3分を残すだけだったので大宮の勝利かと思いましたが、ロスタイムの3分間の中で攻めるしかなくなった福岡がゴール前の混戦から中村選手が蹴り込んで同点になりました。
試合全体を見れば同点が妥当な試合に感じましたが、それでも最後の5分間にあれほどの動きが出るとは思わない試合でした。


大宮については、『手堅く守ってから少ないチャンスを生かして最少得点差で逃げ切る』というのがチームの基本だと思うのですが、今シーズンから攻撃のタレントを増やしチームのさらなるレベルアップを目指した中で、主力選手の怪我などによる離脱が続き、本来の守備のバランスまで見失ってしまった、と言うところでしょうか。
一方の福岡は…、ホベルト選手以外は選手が自分がどう動けばいいのか分からないのではないか、そんな感じでした。福岡の試合を多数見ていないので断定的なことは言えませんが、とにかくチームとしてやりたいことが伝わってこないサッカーでした。