サウジ戦監督談話、選手談話

何とも不完全燃焼感が残る言葉がならんでいるように思います。でも、オシム監督が珍しく自分の想いを長い言葉で表現しているので、勝つことよりも負けた試合の方が得るものが大きいかも。
サウジアラビア戦後 オシム監督会見 スポナビ

特にオフェンスの選手の中に問題が集中していたかもしれない。それは一朝一夕で改善できる問題ではない。ある意味で選手たちが、これから学ばなければならない問題だと思う。それはネガティブなオートマティズム、必要のない癖がついていることだ。サイドでボールを持ったらすぐにセンタリングしてしまう。中に選手がいないとか、逆サイドにスペースがあるというのに、密集地帯にボールをフィードするとか、考えていないセンタリングをする。そういった問題を除いては、走ること、アグレッシブに戦うこと、そういった点は良かったと思う。だからこそ、日本の数多くのチャンスにつながったのだと思う。
(中略)
巻に問題があったというよりは、中盤全体に問題があったというべきだろう。前線で、巻と田中達也が動き回ったとしても、中盤の遠藤やアレックス(三都主)や阿部や鈴木や駒野、そういった選手が前線にからんでこなければ、せっかく動いても、ただの無駄走りになってしまう。そこに問題があったのだと思う。チャンスはあったのに残念だ。もう少し落ち着いてプレーしていれば、1点、2点、3点は取れたように思う。


 最初の話に戻るが、負けることも悪くない、ということはある。主導権を得て、相手よりも多く走ってチャンスを得て、それで勝ってしまっていたら、そこから学ぶものはあっただろうか。今日の敗戦には、今後のための研究材料がたくさんある。

ここまで具体的に選手名を挙げて問題点を指摘してもらえると、オシム監督の志向するものが見えてきますね。トリニダード・トバゴ戦もイエメン戦も結果的には勝ってしまったので、問題点は見え隠れしてもこの試合ほどはっきりとは指摘されなかったように思います。
オシム監督が千葉の監督をしていた時には、前線の数的有利を中盤の選手やDFの選手の豊富な運動量に支えられた攻め上がりで作り出していたと思うのですが、コンディションの整わない代表戦の中で、あまり走らない選手を軸として作り上げていくのは難しいようにも感じてしまいます。次の試合に中盤にフレッシュな選手を入れてくるのかどうか、注目です。

理想のチームが出来上がったわけではないので、不完全なままで、しかもリスクを冒していくことが、時には必要となる。あらゆるものを望んでも、それがすべて手に入るわけではない。はっきりしているのは、優れたストッパータイプの選手が不足しているということだ。背の高い、しっかりしたボールさばきができるストッパー。すぐにプレーできなくても、控えでいつでも準備ができている、そういうストッパーはいるだろうか。皆さんの方がたくさん試合を見ているだろうから、聞いてみたいものだ。

やはり最終ラインに入れる選手を欲しているのでしょうか。ストヤノフタイプ?



サウジアラビア戦後 選手コメント スポナビ

鈴木啓太浦和レッズ

(阿部がDFに下がって)中盤が広くなり過ぎた部分はある。コンパクトにできなかったし、セカンドボールもなかなか拾えない時間があった。アレックス(三都主)やヤット(遠藤)さんと、もっとコンパクトなブロックを作ることができればよかったが、広くなり過ぎてスペースを空けてしまった。最初の15分間はサッカーができていなかった。相手がどうこうというよりも、自分たちの問題。

この部分については、次の試合でも三都主選手と遠藤選手に拘るのかどうか、気になります。


不完全ゆえの敗戦(9月3日) スポナビ 短期連載 宇都宮徹壱のアラビア日記