日本 – ガーナ

helguera2006-10-04

横浜国際総合競技場日産スタジアム)に行ってきました。
行くまでは「見難い」とか文句を言っていましたが、今日の席はバックスタンド2階の前から3列目ということで非常に見やすい席でした。日本代表の試合チケットも毎試合これぐらいの人気度で、座席にプレミアが付くのではなく好みの席を選んで買えるようだと嬉しいのですけどね。


さて試合前のスタメン発表を聞きながら、「三都主、山岸? 左サイドをどうやって並べるの???」というように、頭の中が?マークで一杯でした。「3バックかと思ってたけど、三都主を左SBに下げた4バック? でも、それじゃガーナ相手に危険じゃないの?」などと考えていましたが、このようにスタメンで悩んだり実際の選手の並びを想像する楽しみも何年ぶりだろう(笑)。久しく忘れていた頭の体操ですね。


実際に試合が始まってからの5分ぐらいは、日本の選手の並びと役割を考えるのに必死でした。何せ逆サイドの遠い世界は背番号も良く見えないもので…。現実には水本選手と今野選手がマンマークに付き、阿部選手が余る3バックが基本だったと思いますが、三都主選手が左サイドに張り出しているのかそれとも何か役割を与えられているのか、山岸選手と三都主選手の連携など、ぜひぜひこの辺りは試合後の記者会見で専門記者の方に監督を問い詰めてみて欲しいものです。まあ、全員が守り全員が攻めるオシム監督の目指すサッカーですから、フォーメーションというのはあまり意味がないのかもしれませんが、山岸選手が上がり目の3−4−4と言ったところでしょうか。


しかし、ガーナのサッカーは面白かったですね。今日の観衆は52,000人前後だったようですが、日本代表に派手な選手はいないとはいえ、今日のように面白い試合を生で見ないのはもったいないです。もちろん地域的にも時間的にも見ることができない人が大多数なのだと思いますが、ガーナが結構真剣にやってくれたので本当に面白かった。個人の身体能力と組織というか各選手の共通のサッカー観がほどよくマッチしたガーナは、アフリカの諸国の中でも個人にも振れず組織にも触れず、ちょうどうまくバランスが取れているような感じです。時間帯によってはうまく力を抜いていたり、リードしてからは攻めのパワーを守りに使っていたりも見受けられましたが、オシム監督が就任して以降で初めて手ごたえのある相手だったように思います。やはり相手が攻めてきてくれないと、それも日本を上回る個人技で攻めてきてくれないと、日本が井の中の蛙になってしまいますから、時々このような相手と試合ができるのは幸せなことです。次はぜひ海外所属選手が融合してからやりたいものですね。


日本代表については…、守備はまあまあ、攻撃はこれからというところでしょうか。個人の頑張りで相手を上回らなくても良い守備は何とかなりますが、局面や瞬間で相手を上回らなければならない攻撃は、まだまだ時間がかかるのでしょう。巻選手も佐藤選手も播戸選手も我那覇選手も、あと一歩の強さと言うか、違うと言うか、相手を上回る何かが欲しいです。まあ、簡単に見つけられるものではないと思うのですが、それでも今日のような相手と試合をして、課題が見つかった後に日々のリーグ戦を戦うのと、ただ漠然とJリーグを戦うのでは大きな差が出ると思うので、これからの確変に期待です。


中盤は、可もなく不可もなく、といった感じでしょうか。試合前から基本的には7割はガーナが攻めて日本の攻撃は3割ぐらいだろうと思っていたので、押されることは承知していたのですが、それでも中盤の選手がもう少し攻撃に絡んでくれたら…とは思いながら見ていました。中盤でボールを散らすだけではなく、もう少し勝負を賭けた縦へのプレーやパスなど、リスクを賭けた前への力やシュートが見たかった。駒野選手が放ったシュートなどを、中盤の中央の選手からも、もう少し見たいです。


守備は今野選手が相手にボールをさらわれてピンチになった場面などもありましたが、即席メンバーにしては良くやっていたのではないでしょうか。マンマークというある意味各選手の役割を明確にした守り方を選択していることで、連携を深める時間不足を明確な役割分担で補っているのかなと思います。


ただ今日の試合では、直接的な守りよりもマイボールをDF間でまわしている時が常にヒヤヒヤでした。ガーナの2トップが微妙な距離感で日本の3バックにプレッシャーを掛けつつ、隙あらば素早いダッシュで奪いに来る。前の試合でDF間のボールまわしを各駅停車に例えましたが、今日は各駅でも運行させてもらえませんでした。やはりあのような寄せのスピード感というのは、Jリーグの試合だけでは感じられないものなのではないでしょうか。負けた試合ですから収穫とは言えないかもしれませんが、前の代表がメンバー固定で若手の選手に国際観を植え付けるチャンスが少なかった分、今は若木が成長するための準備期間と割り切る必要があるのかもしれません。オシム監督もそのような意味合いかどうかはともかく、交代枠も多く使い各選手にチャンスを与えているようにも見えました。


ボールコントロールやトラップ、パススピードやここぞのダッシュ力など、一朝一夕には埋められない差があることも確かですが、代表キャップの少ない選手にとっては今日のガーナ戦の経験や体感は大きな財産になったのではないでしょうか。国内の代表戦でも、毎回これぐらいの相手と試合ができれば楽しいし為になると思うのですが、頑張れ、協会のマッチメイク担当者!!