晩秋の北海道 0日目

helguera2006-11-14

仕事を定時で切り上げて駅に急ぐ。寝台特急北斗星」に乗って北海道に行くためだ。飛行機なら羽田空港から1時間ちょっとで着くのに、わざわざ16時間もかけて寝台特急で行くことを選ぶのだから、我ながら物好きなものだ。


ただ、そんな日に限って仕事が立て込んで、『間に合わなかったら、東北新幹線で追いかけるか…』ということも少し考えたが、奇跡的に仕事を抜け出すことができ、北斗星に間に合った。B寝台個室”デュエット”に荷物を置いて落ち着くまもなく、食堂車「グランシャリオ」に向かう。予約した夕食を食べるためだ。コース料理とは言え結構な値段がするものなので予約するかどうか悩んだが、めったなことでは乗らない寝台特急でもあり、日本国内の鉄道で食堂車を連結している列車は希少価値であることも知っていたので、予約してフランス料理コースを食べることにしていた。料理は美味しかったし、食堂車の雰囲気もとても良かったが、予約した時間帯で食堂車を利用していたのはたった5人だった。観光的にはオフシーズンということだろうか。
:W400


宇都宮を過ぎる頃には食事も終わり、食堂車隣りのサロンカーで少しくつろいだ。サロンカーも独占状態だ。テレビモニターで映画「THE有頂天ホテル」を放送していたが、レールの継ぎ目を寝台列車の車輪が踏む「ガタンゴトン」という牧歌的な響きと映画のドタバタ感がまったくフィットしていなかった。映画の選択ミスだろう。


部屋に戻り個室寝台のベッドに横になる。2階の部屋だったので、枕元に空が見える窓がある。関東は晴れていたが東北地方は曇り時々小雨という感じでせっかくの窓も楽しめなかったが、午前4時ごろ青森駅を素通りし津軽半島に差し掛かる頃には雲の切れ間からオリオン座などの星空が見えた。寝台に横になって、そのままの姿勢で星空が見えるというのは、何という贅沢だろう。
青函トンネルに入るのを待っていたが、いつの間にか眠りに落ちた。