晩秋〜初冬の北海道 2日目

札幌駅近くでレンタカーを借りた。
今日は札幌からオホーツク海側までの、北海道横断の移動の日だ。札幌周辺を観光するのも悪くないが、最近は北海道にあまり来ていないので、道東に足を伸ばすことに決めていた。


朝8時、レンタカーの手続きを終え、ハンドルを握る。札幌市街地を抜け、高速に乗り旭川方面を目指す。札幌は青空だったが、北に向かうにつれ空は曇り景色が白くなってきた。さすがに路面に雪はなかったが、それでも路肩には雪が残っている。札幌の町は晩秋の雰囲気だったが、一面の雪景色を見ると冬が確実に近くまで来ているのが分かる。


高速を降り、国道39号線をひた走る。高速でも100kmプラスアルファで走っていたが、一般道を80kmで走っていても後ろのトラックが近づいて来る。北海道のトラック恐るべし。
層雲峡で車を止め、層雲峡ロープウェイに乗る。何もない…。大雪山は雲の中で見えず、下界も雲と青空が混在している感じだ。ロープウェイに乗って山の上に来る人もほとんどなく、新雪を踏みしめる音も独占状態だ。周りの音が雪に吸い取られて、無音の世界が広がる。シーンという静けさに浸っていたら、カラスの鳴き声に邪魔をされた。まったく、カラスってやつは…。


ロープウェイで下山し、層雲峡の銀河の滝、流星の滝に向かう。駐車場にはまったく車がなく、滝もまた独占状態。対岸の滝は半分凍っていて半分水が流れていた。遊歩道も凍っていた。車から出ようとすると一台もいないと思っていた別の車がすっとやってきて、「キツネ牧場」のセールスをされたのには驚いた。観光地で観光地のキャッチセールスのようなものがあるとは…。でも、こんなに人がいない時期では、営業も大変だろう。


石北峠を越え、オホーツク海側を目指す。北見からサロマ湖に向かう途中、佐呂間町の竜巻被害現場を通った。本当にごくわずかの幅だけが甚大な被害にあっていて、隣の家はまったく無傷という不条理。右側の家は壊滅的な被害を受けているのに、左隣りの家はまったく被害を受けていない。広大な土地の中で人家が立っている地域はごくわずかなのに、よりによって人的被害が発生する場所に竜巻が発生するなんて、本当に自然は不条理だと思う。被害者の方には心からお見舞いを申し上げます。



そして、この日の目的地であり、その為に札幌からサロマ湖まで走ってきたと言っても過言ではない今日の宿、「民宿 船長の家」に泊まる。ここは、もう10年以上前から夏のツーリングで利用してきた宿だったが、バイクに乗らなくなってからご無沙汰をしていたので、今回どうしても来たかった宿だ。サロマ湖の湖畔という静かなロケーションもさることながら、とにかく料理が凄い。


写真は毛蟹がはっきり分かるだけだけど、とにかく凄い。
:W400



この写真はにたらば蟹と栗蟹や生きたまま鍋で茹でられているところ。特に栗蟹は最後まで鍋の蓋を持ち上げて茹でられるのに抵抗していた。
:W400



この他にも蟹しゃぶや刺身や煮魚や唐揚げや茶碗蒸しや蟹サラダや牡蠣蒸しや牡蠣焼きや酢の物やホタテクリームやあんかけや蟹ご飯やかに味噌やチーズケーキ(笑)。
:W400


他のテーブルのお客さんが言っていたが、この宿の夕食は楽しみではあるが、ある意味”船長との戦い”でもある。このボリュームで1泊2色7,600円位であるが、「得をした!」という気持ちよりは「食べきれずに船長との戦いに負けた…」という妙な敗北感を感じる。

食わず嫌い王選手権ではないが、『参りました』 _| ̄|○