日本 - ペルー

helguera2007-03-24

横浜国際総合競技場に行ってきました。
ふぅ、新横浜は埼玉からは遠いです。その新横浜はとても風が強く、あれではプレーにも影響が出るだろうぐらいの強さでした。さすがに3月末ということで寒さは冬の寒さではありませんが、風がスタジアム内を舞っていて常に吹きつけているのと、途中から少し雨も降り始め観戦コンディションは万全とは言いがたいものでした。でも試合は面白くて良かったです。ただ、あまりの風の強さに横浜国際の屋根がきしんでいたのが少し怖かったけれど。


そして試合前に面白かったことがひとつありました。それは日本代表の試合前のアップがいきなり青ビブスと白ビブスの10対10で始まったことです。ピッチの半分はペルーが使っているのですから、ハーフコートを20人以上の日本選手が走り回っている姿は圧巻でした。見てすぐに青ビブスがスタメンだと分りましたが、最後は黄色ビブスの選手を2人加えての3色のビブスの選手が走り回っているさまは、全部で15人の選手しかいなかったペルーサイドの練習ともの凄く対照的な光景でした。


試合は事前の予想通りの4−4−2でしたね。


___巻__高原___
_遠藤_____中村_
___鈴木_阿部___
駒野_田中_中澤_加地
_____川口____


川口選手の日本代表100試合出場の表彰が試合前にありましたが、それに花を添えるような中村俊輔選手と高原選手の代表復帰。そして国内にいたものの少し代表と距離を置いていた中澤選手の復帰もありました。「海外組の合流」とか「海外組との融合」とかよく言われますが、今日のスタメンを見ると鈴木、阿部、田中の3選手以外は昨年の6月にドイツにいた選手ばかりなのですよね。もっとも、試合終了時点ではまったく違う状況になりましたが。


左右の並びは頻繁に変わるのであまり意味がありませんでしたが、1トップ気味のペルーに対しオシム監督になってからは珍しい4バックと、そして最終ラインはマンマークではなくて相手の1トップを受け渡しながらゾーンで守っているように見えました。相手のフォーメーションによるものか、それとも最終ラインに中澤選手と田中選手という対人に強い選手が揃ったためなのか。相手のペルーの来日メンバーにもよるでしょうが、全く危なげのない2人のDFでした。
それにしても日本の4番の選手は良く上がっていましたね。いつの間にか6番の阿部選手にセンターバックを任せて上がっていってしまったり、3番の駒野選手にセンターを任せて自分はサイドを駆け上がってしまったり、見ていて面白かったです。そこでボールがなかなか来ないままペルーボールになってしまっても慌てるわけでもなく攻撃のチャンスを窺いながら未練たっぷりに帰ってくる姿も面白かったけれど。


そしてやはりこの試合の話題の中心となるであろう中村俊輔選手と高原選手について。
まずは中村選手ですが、やはり一味違いますね。判断の早さと視野の広さが他の中盤の選手と違うように感じました。密集の中でもボールを失わずにその上広い視野を保ち、正確で長いサイドチェンジのパスを通す。中村俊輔選手がチームに加入することで、昨年までのオシム監督の日本代表よりも中盤のクオリティが一段階上がるように感じます。ただ、その中村選手の長いパスを引き出しているのは、オシム監督が昨年の就任から一貫してやっている”選手が考えて走る”という土台があるからこそだと感じました。今日は右めにいる中村選手から左の前方に長い有効なサイドチェンジパスが何本も通りましたが、中村選手のパスが正確なのは勿論ですが、それを引き出す駒野選手の無尽蔵の走りがあればこそだと思います。中村選手が顔を上げたときには駒野選手は空いているスペースを目がけて走り出しているのです。あそこで駒野選手の走りが先になければ、中村選手の技術も活きないわけですから、その受け手の動きも評価して欲しい。


そして高原選手ですが、今シーズンの好調さがそのまま出ているようなプレーでした。とにかく動きにキレがあり前後左右に幅広く動きボールを受ける。そして前方にチャンスがあれば強引とも思える決断力で前に突き進んでいく。うまく抜けることは少ないかもしれませんが、それでも高原選手が前に突っかけることで貰ったFKが何本あったことか。先制点の場面も確か高原選手が突っかけることで生れたFKだったですし。
そしてその動きを報いるかのようなファインゴール。トラップして振り向きざまにシュートを放つ早さが素晴らしかったです。体のキレを感じさせるようなゴールでした。


最後の80分過ぎはまるでU-22のようになってしまって誰がどこのポジションにいるんだか分らなくなってしまいましたが、それでも若手選手の前に進む勢いというのはとても素晴らしかったです。水野選手なんてあの短い時間の中で何回見せ場を作ったことか。ようやく二十歳前後の若い選手が代表の試合に入ってきました。残り時間を考えると最初は「Aマッチの出場を記録するための思い出づくり?」とも思ったのですが、少ない時間の中でアピールしていました。この3日間の経験を次のU-22の試合にも活かして欲しいですね。


試合は2−0という結果でしたが、見ていてスコア以上に面白く感じました。得点はセットプレーからの2得点だけでしたが、それ以外の場面でも将来の可能性を感じさせるプレーが随所にあって、国内にいる選手のあと少しの底上げと、あと少しの海外にいる選手の加入があったとしたら、今年のアジアカップが非常に楽しみになりそうです。



ペルー戦後 選手コメント スポナビ