予備登録メンバー発表監督会見

helguera2007-06-19

相変わらず、厳しいやり取りが続いてますが、あまりにも厳しく突っ込まれすぎてアホな記者の方が”反オシム”キャンペーンをはるんじゃないかとヒヤヒヤモノですね。
選手には「考えて走れ」がキーワードになっていますが、記者に対しても「考えて質問しろ」や「考えて書け」ということを求めているのでしょう。それに気付く記者と気付かないで馬鹿にされたと思う記者とに別れるのだろうなと思います。夕刊なんとかの記者などダメだろうなぁと思います。


少々長いのですが、記者との対立になりそうな質問の受け答えだけ、備忘録用に引用します。
日本代表予備登録メンバー発表 オシム監督会見 スポナビ

――アジア杯での具体的な目標設定は? アジアカップを通じて、W杯予選、W杯本大会に向けてトライしてみたいことがあるか

オシム 今、あなたがお聞きになったようなことを私も考えている。私にも思想の自由がある。現実問題としては、その2つをどうするか。いずれにせよ、ここにいる皆さんの99.99%が、日本がタイトルを取らなければいけないと感じているかもしれない。しかし、そうであったとしても、なぜ日本が勝つべきなのか、どういう理由があるのか。私の方でも用意がある。つまり、日本がタイトルを取れないであろう1000の理由をここで挙げることもできる。説得力のある客観的な理由を。しかし、ここにいる皆さんは分かっているはずだが、ネガティブな材料はあまり記事にはお書きにならない。ここで客観的な目標設定を挙げても、皆さんに納得してもらうことはできない。監督としての私の考えと、ジャーナリストとしての皆さんの考えは必ずしも一致しないということだ。ただし、力のバランスでは皆さん方の方が優勢だ。私がここでドンキホーテのように言っても仕方ない。しかし、風車を相手に必ず勝つという約束もできない。客観的な条件とはどういうものなのか。ここで客観的な条件を皆さんにこちらから質問しても構わない。つまりどんな条件で戦うか、有利な点、不利な点、何があるか。答えはこんなところでいいですか。それとも皆さんが知っているアジア杯を勝つ条件を説明してくれる人がいますか。

この辺りの受け答えに関しては、『オシム、負けたときの言い訳をすでに考えている』ぐらいの記事を書く記者が出てきそうですね。

――監督就任直後の会見で、無責任に(W杯での日本代表を)盛り上げていたメディアを批判していたが、今回のアジアカップについては、内容と結果、どちらを重視しているのか?

オシム W杯直後の発言については、今でもそう思っている。日本は身の丈にあった戦いをするべきであって、メディアが作り上げた雰囲気は、対戦国のモチベーションを上げる結果になってしまった。一つの例だが、日本はアジアカップで対戦する(グループリーグ)3カ国(カタール、UAE、ベトナム)の中で、現在もリーグ戦を戦っている唯一の国だ。つまり直前までだ。十分な準備ができない。それが大きなハンディキャップだとは思わないだろうか。あるいは、ほかの対戦国に失礼だとは思わないか。皆さん、いかがだろうか? 内容か結果かで言えば、私は結果を重視する。ただし、それがどんな結果か、ここで保証することはできない。個人的には、もちろん日本サッカー協会にとっても、結果より内容の方が重要で、しかも将来、長く戦えるかどうかを重視しているのだろうと思う。もちろん両方が伴われているのがよりいいのだろう。サッカー協会として、今のアジアカップに何を期待しているのか。残念ながら、そういうことを理解しているジャーナリストが多いとは言えないのが現状ではないだろうか。

これについても刹那的な質問ではなく、日本代表の強化という長期的な視点に立った質問の少なさを嘆いているようにも感じますが、馬鹿にされたと思う記者もいるのかも。


そして圧巻の切捨てがこのやりとり。

(前略)本来は個人の選手の細かいことについて話さなければならないのは、私にとっても選手にとってもよくない場合の方が多い。特に、こちらからマイナス要因を答えなければならないような質問は控えてほしい。市場で、どの野菜が新鮮なのか話しているわけではないのだから。選ばれた選手でも欠点がないわけではないし、選ばれていない選手についても(選ばれた選手とは)わずかな差でしかない。これまでの代表、Jの試合を注意深くフォローしていれば、選考の理由は見当がつくはずだ。それでもご自分で答えが見つからない人は、サッカージャーナリストをお辞めになった方がいいだろう。

見事に斬って捨てている。「考えろ!!」という監督の叱咤が聞こえてきそうです。選手にだったらもう少しストレートに言うのでしょうが、記者に対しては言いにくいのか、過去の経験から懐疑的になっているのか。どちらにしても受け取る側に真摯な気持ちがなければ危険な受け答えに感じます。