相変わらずのオシム会見

いや、相変わらず面白いというか、ひねくれているというか。
ベトナム戦前日 オシム監督&遠藤保仁会見 スポナビ

――ベトナムのリードル監督は、明日の試合にアタッキングサッカーで臨むと言っていたが

オシム監督 それについて、私が何を言ったらいいだろうか。ベトナムの監督として、最も大事な試合を前にして、ほかにどんな言い方ができただろう。非常に論理的だ。ベトナムにとって(明日は)歴史的な試合になるだろう。ホームであるベトナムには、有利な条件がそろっている。いいゲームをするチャンスがあるということだ。ホームで観客が後押しするだろう。気候にも慣れている。明日の試合は、われわれの対戦相手に有利な材料がたくさんあると考える。その上でどんな試合になるか、言い当てるのは難しい。つまりベトナムにも、われわれという対戦相手がいるということだ。こうなるであろう、というつもりはない。

この質問に対する答えは、「こうなるであろう、というつもりはない。」という一言でもいいような気がするのですが、いろいろ言わなきゃ気がすまない人なんだろうなと想像します。
まあ、こういう質問をする記者もいるから上のような答えになってしまうというところもあるのでしょうが。

――ベトナムが勝つ可能性よりも、日本が勝つ可能性のほうが高いと思うが、同意するか?

オシム監督 確率の問題だ。私はその予測はしないし、あなたがそう考える理由が分からない、われわれが何をすべきかは分かっている。それはわれわれの問題だ。しかし、これから余計なことを口走って、対戦相手をさらに勇気づけることはしない。日本が有力だと、私は思わないし、(そう語ることは)不必要なことだと思う。計算上は、勝てなくても通過できるチャンスはまだある。つまりカタールが勝たないということだ。数学的にはシンプルなことだ。


2002年の日韓ワールドカップで、ベルギーの人たちやロシアの人たちが試合前に日本戦の結果をどのように予想していたのか、聞いてみたいと思うことがあります。開催国が相手だから苦戦するかもしれないとは思っていたでしょうが、実際に引き分けたり負けたりすることを、どの程度真剣に考えていたのでしょうか。
今夜のベトナム戦ですが、正直なところ『まぁ、負けないだろう』とは思っていますが、それでも何が起こるかわからない。満員の観客の雰囲気に押し流されて、アジアンレフリーが不可解なPKを取るかもしれませんし、あっという間に日本選手が退場させられてしまうかもしれません。
まともな監督なら「勝つつもりでやる」とは答えるかもしれませんが、「勝つ可能性」に対しては答えないでしょう。まあ、オシム監督の口から、「勝つつもりでやる」という景気の良い言葉はめったに出てこないかもしれませんが。


予想すること、対処すること スポナビ 日々是亜洲杯2007(7月15日@ハノイ、晴れ一時雨) 宇都宮徹壱さん