サウジ戦 前日

激闘のオーストラリア戦を終えて、日本代表の準決勝が明日になりました。戦前の個人的希望としては、「今回のアジアカップはベスト4まで行けばいいな」とは思っていましたが、実際にここまで来てみればやはり優勝して欲しいです。オシム監督もかなりピリピリしているんじゃないかという雰囲気が伝わる記者会見です。大会前には負ける理由や可能性をたくさん語っていたオシム監督ですが、実は一番負けたくなかったのもオシム監督だったのでしょうね。


サウジアラビア戦前日 オシム監督&中村俊輔会見 スポナビ

オシム : サウジに組織がないとここで申し上げたら、ただでさえモチベーションが高いサウジをさらに元気付けることになるのでは? あなたのは質問ではなく、コメントと理解する。あまり良い質問ではない。

 サウジは、非常に良いチームだ。監督も代わった。去年(のアジアカップ最終予選)も強かったが、今年は新しいチームでやっている。完全に新しいチームになったといえる。よりアグレッシブでモダンなサッカーをする。何人か、こちらとしても対応が難しい選手がいる。

とにかく不用意なコメントはしない。相手のモチベーションが不用意に上がってしまうような言葉は使わない。試合はピッチの上で行われるものだけれど、監督として試合開始前にできることは最大限やる、そんな決意が伝わってくるようなコメントですね。


そして今回の記者会見での中村選手のこのコメントも興味深いです。

――中村選手、ことしは走り方が違っているように感じられる。自身ではどう考えるか

中村俊 ポジションも違うし、走る質が変わってきている。基本的に距離は変わっていないと思うが、タイミングとか、自分がもらうだけではなく(スペースを)空ける動きとかを増やそうとしている。距離の問題ではなく走る質。(パスを)出す側からもらう側の意識を持つようにしている。


――中村選手、今大会は苦しんででも勝ち続ければいいと言っていたが、ここまでの収穫を挙げるとすれば何か

中村俊 今までは監督が変わってからなかなか代表に参加できなかった。今回初めて長い期間、一緒に練習したりして、今の代表のサッカーをやりつつ、連係もとりつつ、チームとして結果を残さないといけないし、個人としての結果も残さないといけない。オフ明けで大変だったが、とても充実している。今は自分に一番足りない、ランニングすることとかを、勉強ではないけど、やっている最中。それをやりつつ大会も勝っていく。そんな感じです。

何たる頼もしい言葉。選手を変えるのは選手自身の意識の変化かもしれないけれど、その手助けをできるのかどうかは監督の力量ですね。選んで直接指導するだけでなく、”選ばない”ということも強烈なメッセージになる。中村選手のこの意識革命の裏側には、日本代表に選んでからの指導の影響もあるでしょうがチーム立ち上げ以降に選んでいない機関のチームの方向性が大きなメッセージになっているように思えてなりません。


今回のアジアカップの試合を1試合こなすごとにチームの熟成が進んでいるように感じる現在の日本代表ですが、優勝を考える前のまずは明日のサウジアラビア戦、勝つこともそうですが昨年の対戦時よりもチームが進化している証を見せてもらえるような試合を期待しています。