ドーピング

サイクルロードレースを見ていれば耳にたこができるぐらい聞かされるドーピングという言葉ですが、日本のサッカー界においてのこの問題は、何だか融通がきかないで幼児の入場を認めなかった2002年のワールドカップ運営の杓子定規さを感じてしまいます。


J1我那覇選手のドーピング処分、外部機構が「シロ」見解 読売新聞

今回の混乱は、Jリーグ規程が準拠する、世界反ドーピング機関(WADA)の規約の解釈が割れたことが原因だ。規約は、静脈内注入(点滴)について、「正当な医療行為である場合を除き禁止」と定めている。Jリーグドーピングコントロール委員会は当初、禁止手法と明記されているのだから、点滴を行う場合は、〈1〉必要不可欠な医療行為でなければならない〈2〉届け出により正当な医療行為だったとの認可を得る必要がある――と解釈。我那覇選手の「治療」は、必要不可欠とまでは行かなかったとし、違反と判断した。

 しかし、JADA及びチームドクター側は、現場で治療に当たる医師が正当な医療行為かどうかを判断できるはずだとし、正当な行為の場合は認可も不要と解釈。その根拠に、2007年版WADA規約の変更に関する注釈部分で、「正当な医療行為かどうかの判断は行為に当たる医師が行う」などと書かれていることを挙げた。


違法性の高いドーピング疑惑ではなくて、単なる手続き問題というか、運用や解釈の問題で何を頑なに守ろうとしているのでしょうか。権威? それとも見せしめ?

こうした事態にJリーグも、従来の見解を実質的に改め、今月7、8日に、「現場の医師が正当な医療行為であると判断した静脈注射については、認可申請を提出しなくてよい」などとする規定解釈の適用を各クラブに通達。JADAの判断に加え、チームドクターたちの強い姿勢に、Jリーグが方針変更を迫られた形だ。

 それでも、Jリーグで初めてドーピング違反とされた我那覇選手に対する処分及びクラブに科された制裁金については、今のところ取り消されない見込みで、今後論議を呼びそうだ。


間違うことは良いことではないけれど、人間なんだから間違うこともあります。間違いをおかすかどうかが大きな問題なのではなく、それを認めるか認めないかで人間性が大きく問われるのではないでしょうか。今回の場合は個人というよりは組織の問題かもしれませんが、どうなのでしょう、Jリーグ。