大宮 - 神戸

helguera2007-08-15

駒場スタジアムに行ってきました。
昼間の大宮地方はここのところ連日の猛暑ですが、夜7時からの試合とはいえ日中の熱をたっぷりと吸った駒場スタジアムのコンクリートスタンドは驚くほど熱く、直に置いておいたドリンクがお湯になるほどです。スタジアムのフラッグは風にたなびいているものの、客席には風がほとんど吹き込んでこない蒸し風呂状態でした。
という観戦するには悪条件ですが、それでも1ヶ月ぶりの生スタジアム観戦は楽しかった。マイクラブのヴェルディの試合ではないといえ、スタジアムでピッチ全体を俯瞰して見るサッカーは楽しいな。


中断期間中に監督が代わり外国人FWが代わった大宮ですが、試合スタートのフォーメーションは伝統の4−4−2だったでしょうか。新外国人のマルケスと吉原が2トップで以前よりも前でボールが納まるようになったと感じました。


___マルケス__吉原__


藤本__斉藤_片岡_小林大


波戸_富田_レアンドロ_田中


斉藤と片岡の並びは良く見ていませんでしたが、こんな感じだったでしょうか。監督が代わってチームが代わっているのかは分かりませんでしたが、トップの外国人がボールの納まらないタイプから足元でキープできて個人で突破できるマルケスに代わった効果は大きいと感じました。中央であっさりとさばくこともできるし、サイドに流れてドリブル突破もできる。とりあえずマルケスがボールを持つとチャンスになりそうな予感がします。前の外国人は予感すらしませんでしたからねぇ。


そんな大宮でしたが再開後のホーム初戦と言うことで試合開始直後から積極的に攻めました。マルケスにボールが入ったところで、吉原や藤本が積極的に追い越していく。そんな縦のポジションチェンジがうまくはまっているように見えました。今日はバックスタンドの2階席で見ていたのですが、前後半通じて流れの中では小林大はいるんだかいないんだか分かりませんでした。コーナーキックは蹴っていましたけれど。それ以上に吉原と藤本の運動量が目に付きました。
大宮の攻勢が続いた前半の20分過ぎ、カウンター気味の縦へのボールを中央からマルケスが右サイドにはたき、スピードに乗った吉原がそのまま神戸DFラインをぶっちぎり、GKとの1対1もうまくボールを浮かせてゴールへ流し込み大宮が先制します。落ち着いて決めた吉原も上手かったけれど、中央でスパッとはたいたマルケスのところで勝負ありという先制点でした。


しかしこれで神戸も目が覚めたのか、大宮を押し返し反撃に転じます。失点した直後には大宮の先制点と同じような形で左サイドを突破しシュートしますがこれはポストに嫌われました。「大宮に流れがきているのかな、決定的だったけど入らなかったし…」と思ったのも束の間、前半の30分過ぎにCKから神戸があっさりと同点に追いつきます。この時の神戸のレアンドロのヘディングは高かった。
これでさらに試合が動くかと思ったのですが、さすがの暑さに選手もまいったか、前半は膠着したまま終了しました。


後半もホームの大宮が優勢に試合に入ったように見えましたが、チャンスを決められません。前半の神戸の同点ゴールと似たような形の場面がありましたが、大宮のレアンドロのヘディングシュートはゴールマウスをわずかに外れてしまいました。この大宮が押している時間帯に得点できなかったことが、この試合の勝負の分かれ目だったのでしょうね。
現在の17位という順位により勝ち点3が欲しい大宮が前掛かりに攻め込みますが、神戸の前線へのロングボールに対し自陣に残っていた波戸(?)が処理を誤り、神戸にボールをさらわれてレアンドロに2点目を決められて逆転されてしまいました。
こうなるとさらに苦しい大宮がDFのレアンドロをトップに入れて3トップにして攻め込みますが、跳ね返す神戸がレアンドロのいないDFラインで優勢に立ちPKで3点目を取り試合を決めました。


降格圏内にいる大宮にとっては1−2も1−3も負けは負けで勝ち点は0ですから、レアンドロを上げるのはしょうがないと思います。しかし、その攻撃はどこかチグハグでした。レアンドロを前線に上げているのは高さで優位に立つためだと思うのですが、レアンドロの足元にばかりボールをつけてキープしようとするレアンドロが孤立し、ボールを奪われるシーンが何度もありました。DFのレアンドロを前線に上げるなら頭で競らせてこぼれ球を見方のFWやMFが狙う方が効果的なのでは。DFのレアンドロポストプレーを求めても苦しいです。
そして同じようなチグハグさは交代出場の桜井の使い方にも感じました。前を向かせてこその桜井だと思うのですが、やはり桜井にも足元にボールをつけて相手を背負わせている。これでは桜井の良さが出ないです。大宮のチームとしての焦りが感じられてしまう場面でした。


一方の神戸ですが、前節磐田を4−0で下しているのでどんなに調子が良いのだろうと思いましたが、暑さのせいか全体的に運動量は少なかったものの、それでも大宮よりは選手が動いているし、前線にも人が多いです。試合開始時は大宮と同じような4−4−2に見えたのですが、攻撃時には大久保もゴール前に入ってくるので中央にFWが3人いるように見えるし、前半のある時間帯には流れの中の攻撃なのに大宮のペナルティエリア内に神戸の白いユニが5人もいたのは笑いました。やはり神戸の前節の勝利は理由のあるものだったのですね。


大宮にとってこの負けは大きいような気がします。新監督の2試合目で初のホーム、そして2試合連続で先制したものの逆転負け。チームとしての負のスパイラルに落ち込みそうな、そんな負けに見えてしまいました。大宮の売りだった守備が破られた。崩されたわけではないのですが、積極的に勝ち点を取りにいかなければならない中での、攻撃にバランスをシフトした結果の失点なのですが、これからも点を取って勝たなければならない状況は変わらず、大宮の良さまでも消えてしまいそうな心配があります。杞憂に終われば良いのですが。