スイス戦前日 オシム監督会見

相変わらず面白いのですが、以前のような哲学的な問答からより具体的な考え方に内容が変わってきたように思うのですが、どうでしょう。
以下、象徴的な言葉を抜粋して引用します。


スイス戦前日 オシム監督会見 スポナビ

サッカーは動きながらプレーするものだ。ポジションといっても、場所は一定でない。役割が一定なのだ。ああいうポジションの選手には自由を与えている。

当然のことですが、「場所」や「数」ではなく、「役割」を中心に選手を選んでいるということですね。

こちらはチャンスの数をより多く作りたい。それすらも簡単なことではないだろう。走ってパスを出し、パスをもらい、シュートまで持っていく形を何度作れるか。選手は頑張っている。観客席で見ているのが一番楽だ。

攻撃の目的はチャンスを作り、シュートをすること。そこまでの形を作ることが監督が影響を与えることができることで、それを決めるかどうかは選手の仕事でしょうか。

走るのが速い選手のプレースピードが速いとも限らない。走るスピードとプレーするスピードは別物だ。それにスイスも、日本がどんなチームか、どんな選手がいるかを研究しているだろう。いずれにせよスピードは必要だが、われわれの側にスピードのある選手がそろっているとは言えない。スピードで解決できなければ、別の方法を考えるしかない。

スピードについての考え方が比較的分かりやすく語られています。現在の段階はプレースピードをあげる段階ということでしょう。やはり現在は縦へのスピードは臨んでいない?

私はどの選手からも自由を奪ったことはない。しかし自由を与えられた選手は、いつどこでどのようにプレーするか、自分で判断しないといけない。だから自分勝手というわけではない。

「考えて○○する」という部分ですね。自由は自分のプレーのために使うのではなく、チームの利益のために使うということかな。

日本に残って大学生と練習試合をしていた方が良かっただろうか。あえて答えるなら、こういう強い相手と戦うことは経験になる。いつ、どの程度のリスクを冒すか、そういう判断を磨く機会となるだろう。リスクを冒す戦いを避けるつもりはない。

「経験」と一言で表現されることが多いですが、経験と言う言葉の意味としてオシム監督はリスクを冒す度合い、その判断を磨くことが「経験」であると。

それは文字通りチーム作りに何が必要か、何を考えなければいけないか、というポイントを突いたものだと思う。選手の経験もそうだが、年齢のバランス、若返り、そうしたことも考慮しなければならない。若い選手だけでもいけないし、ベテランばかりだと走れない。そういう選手たちのバランスをとって、ベストチームを作るべきだ。

これに関しては至極当たり前のことですが、それすらできていなかった期間が実際にあったわけで。当たり前のことが行われていなかった期間があるからこそ、良く考えなければいけない部分です。



間もなく女子のワールドカップ、深夜にはフル代表のスイス戦、そして明日の夜は国立競技場でのU2カタール戦と怒涛の代表ラッシュが続きます。個人的には昨日のヴェルディ戦でサッカーは「お腹いっぱい…」という幹事なのですが、楽しみな試合ではあります。

頑張れ、ニッポン!!!