日本 - エジプト

録画したものをようやく見ました。
青いユニフォームが日本で赤いユニフォームがエジプトなわけですが、とても似ているサッカーに感じました。どちらも運動量があって、真面目なサッカーをする。技術的にも上手いし、汚いファールも少ない。親善試合だからこその激しさのなさもあるかもしれませんが、ピッチの状態の良さもあいまって、非常にスピーディなサッカーが展開されました。結果は4−1と点差が開きましたが、そこまでの差はなかったような。


ただ、日本代表の選手たちの前に行く気持ちの強さは感じました。実際の試合時間とは逆に私はU22のアウェイカタール戦を見た後に日本代表の試合を見たのですが、アウェイとホーム、公式戦と親善試合、暑いカタールと涼しい日本、などの差を差し引いても、チームの勢いやダイナミズムの違いを大きく感じてしまいました。
「人もボールも動くサッカー」というのがU22も日本代表も目指しているサッカーの到達点だと思うのですが、それにしては実際にピッチ上で展開されているサッカーが違いすぎる。U22の方は「一部の人が動くサッカー」で、フル代表の方は「すべての人が動くサッカー」という違いがあるように感じます。特にこのエジプト戦に関しては、イビチャ・オシム監督が率いていた頃の千葉の「人が次から次へと前線に湧いて出てくるサッカー」を思い出しました。


選手個人の感想としては、大久保選手の代表初ゴールが良かったです。今シーズンの好調さがそのまま出ているようなパフォーマンスでしたし、日本代表の監督が代わったことで大久保選手の”ツキ”も変わったのではないか、などという根拠のないことも考えてしまいました。現代表監督の目指しているだろう「人がポジションチェンジを繰り返しめまぐるしく動くサッカー」の方が大久保選手の持ち味にフィットするのかもしれません。山岸選手の運動量や加地選手の長躯など、気候の涼しさも助けになっているかもしれませんが、それでも前田選手も含めて、攻撃陣の勢いや活きの良さを感じることができました。ちょっと皮肉っぽい言い方になってしまいますが、U22には柏木選手は1人しかいなかったけれど、フル代表には柏木選手がたくさんいた、そんな感じでしょうか。


お互いに主力を欠いている日本とエジプトの対戦ですから、いくらテレビ局が「アフリカ王者と(前)アジア王者の対決」と煽ってみても限りなく練習試合に近い親善試合であることは否めませんが、それでも勝って終われてよかったですね。アジアカップの連覇を逃したことで少し宿題も残してしまった日本代表ですが、欧州遠征の2試合目のスイス戦とこのエジプト戦で気持ちよく今年を終われそうです。来年も運動量の問題などで暑い時期での公式戦がなければ大丈夫なのだろうとは思っていますが、ワールドカップのアジア予選は暑い時期の試合はなくても暑い場所での試合がつきものですからねぇ。アジアは広すぎますよね。